ドワーフ国 3
9月も終盤戦ですねぇ。
ドワーフ国の次回で終了です!
次は別の国に行きますよー。
私はそっと(してる様にみえる)ポトスの背中をグイッと押した。ポトスが目がぎょっと驚く。お前の目は最近魚を飼っているのか?拒否権は認めん。お前は一度ギデオン(姉)に振り回されてこい。天才とはどんなものか実地で習え。
「ギデオン?私はこの王宮で歓迎を受けなきゃだから無理だけど…。バイモとポトスを連れていって良いわ。調査ならポトスを役所に連れていった方が色々手に入りやすいと思うし…未来の産業となる調査ですもの。喜んで付き合うって言ってるわ。宰相として知らないことがあってはいけないもの…貴方の仕事を見せてあげて?」
「うん!いいよ。ポトスも行こー!」
笑顔で頷くギデオン。はぁーやっと解放されたぁ。ポトスもこれで理解できるだろう。
~sideポトス~
僕は実はこの方が苦手だっだ。
一時期は恋人未満な時期があったが…全く変わらないのだ。その未満な時期の態度と今現在と。普通は変わる。多分変わる…変わるはず…変わってください…この方と接していると自信がなくなる…自分が間違っているのか?…と僕はギクシャクした。その僕を見ていてもこの方には動揺がない。
興味がないのだと竜王との接する様子を見て理解し、悪気は無かったのだと先程の事件で実感した。
ギデオン殿下には好き嫌いが存在しないのだ。愛はあるが好ましいはない。だから、恋が無いのだ。僕は恋をしていたが…。
竜王とはいきなり愛。でも相手も愛だから釣り合う。
僕にはいきなり愛するなんて出来なかった。だからずっと未満だったのだろう。
後悔はない。僕の気持ちを思いを肯定してくれる人がいるから。
「ポトス?どうしたの?具合悪い?王宮に戻ってもいいよ?王太后はあんな風に言ってたけど…ポトスは無理しないでいいよ?僕は考え出したら止まらないし、探求に没頭したいんだ。邪魔されるの困るんだよね…だから、僕の歩く道についてこれないなら帰っていいよ?バイモは僕の事もう解ってるし、双子もいるから護衛も心配要らないよ?通信ならハギが要るしね。僕からしか連絡取らないけどー。」
研究に邪魔になるかもと即座に僕排除しにくるとは…。研究第一主義は本当なんだな。バイモと双子が頷き、ハギが体で○を作っている。冷たいと思うことなかれこれでもだいぶ配慮されているらしい…。他の人には声も掛けない。というか人として認識されていないらしい。前の世界ではかなり気を揉まされたらしい…主に家族が。と王太后様が言っていた。天才怖い。
「いえ。ついていきます。この事業は国に取って根幹となるもの。成功させなければ!全力でサポートさせてください!!」
「うん!解った!よろしくね!じゃあ行こー。」
ギデオン殿下は笑顔で答えた。僕たちは転移陣でドワーフ国の保養地に飛んだ。
ついた瞬間に鼻に付くような匂いに襲われる。
「うわぁ。硫黄の匂いだ!凄い。本当に温泉地なんだね。硫黄も有るのか…。ならば石灰とかも有るよね…。色々作れるな。」
ギデオン殿下は色々呟いている。僕はその言葉をメモすることにした。今聞いても答えてくれない。というか聞いていないのだ。先程質問したら無視された。周りから今声かけても聞いてないよ?没頭するって言っていたでしょ?と注意を受けた。
ムッ難しい…。僕たちは人の話をたくさん聞くように訓練されている。小さな声も聞き漏らさず、少しの情報でも多くの事が予想できるように教わるのた。
「バイモここで一番温度が高い所は何処?それか硫黄の臭いが強いところは?」
「案内したいが、人の立ち入りは禁止されている。ガスも出てるから危ないんだ!」
「天然ガスだね!!硫化水素が有るかも…?水素と言えば…水素ガスっていう手もあるね!行きたい!バイモ、ポトス許可取ってよ!」
ムチャ振りが…。バイモは普通だ。どこに掛け合うかな?と呟いている。
「解りました。役所に行きましょう。周辺の詳しい地図も要るでしょ?」
「解った!じゃあお願いね!僕は温泉の水質見てるー。」
「ああ。じゃあポトスと行ってくるから場所移動したら連絡してくれ。ポトスにもミニハギ付いてんるだろ?」
「ああ。」
僕とバイモは二人で役所へ行き、地図と立ち入り禁止区域への許可を何とか貰った。
『バイモーポトスーここ炭酸泉あるよ?炭酸だよ?ハイボール飲めるね!バイモウィスキー持ってきてたよね?果実酒をこれで割っても美味しいよ?早く戻ってきてー。』
連絡が来た。急いで戻り、バイモが持っていたウィスキーと割ってみると…美味しい!!僕はあまりウィスキーが好みでは無かったが…これは飲みやすかった。幅が広がる。炭酸って飲めるんだなってバイモが感心していた。僕も初めて知った。
この人の知識は計り知れない。この後禁止区域に入り、いつ作ったのか無毒化マスクをもらい、探求に付き合い、殺虫剤やら水素ガスによるエンジンやら開発していくのを側で見た。
この人はこのままで良いのだと、このままが皆の為になるのだと力説する王太后様の言っていたことを骨の髄まで叩き込まれた。
「ギデオン殿下!是非ともずっとカルミア国にいてください。ドラゴン国のことはご心配無く、国を上げてフォローしますので、是非とも竜王をお婿さんにもらいましょう!ギデオン殿下はお嫁にはあげません。」
「えーーーー。」