娘と母 side プルメリア
今まで引き伸ばしていたのですが…
家族のお話です!
シリアスと迄は言わない感じで書いております!
この頃私は不思議な夢をみる。
今の自分ではない、昔の自分の映像を見ている様な状態なのだ。
それよりも…昔の自分よりも今の自分が優先だ。
私は王なのだから。
「お母様?今日は一緒に寝たいの。だめ?」
私はプルメリア。この国の王だ。お飾りでしかないが…。朝議も座って聞いているだけ。話しも良く解らない。朝議のあとユッカが注釈してくれるけど…それでも半々しか解らないのだ。皆がそれでいい。半分解るだけすごい。まだ6歳なのだから。何時もこの年齢を最後に出される。それが嫌で嫌で堪らない。
嫌なことはまだある。母上が優秀すぎることだ。だから、皆母上ばかりを頼りにする。私の母上なのに。私には母上しか家族がいないのに…。物心付いた頃から私には父上は居なかった。何故と聞ける雰囲気ではなく、城では犯罪者の娘と言われ…。小さくなって生きるしかないと思っていた。
それを知った時の母上の恐ろしさは言葉に出来ない。あのギデオンですら、宥められなかった。
それからの環境は一変した。誰も私を馬鹿にしなくなったというか…出来なくなったと言うべきか。
母上はそれはもう強い、強い意思で私を女で一つで国を背負いながらも育ててくれた。世話はほぼカラーがしてくれてるけど…。
「いいわよ。お母様もプルメリアといっぱいお話したいわ。今日は夜更かししましょうか?」
「はい!」
お祖父様もいなければ、お祖母様も兄弟もいない。母上しかいないのだ。叔父上は要るが…あの人は私と線を引いている。王族同士だというのか…王位をというのか…スペアだという認識なのだ。仕方ない。今はまだ。
「お母様、何処にも行かない?ずっとプルメリアと一緒に居てくれる?」
「ええ。ずっと一緒よ?プルメリアを置いていったりしないわ。ドワーフ国に一緒に行きたいならどうにかしてあげましょうか?」
バイモが要るからギデオン置いて置けばいいでしょ?と軽く何とでもなるというように母上は答える。この人は権力を息を吐くように自然に使う。私には出来ない振る舞いだ。あの優秀すぎるし、一癖もある臣下達に上から物を言うなんて!
「それは大丈夫!!そのくらいは我慢できるわ。ドワーフ国のお勉強まで加わったら妾は白虎に飛び乗って逃げたくなるもの。」
「まぁ。楽しそうねぇ~。あまりにきつかったらやって見たらいいわ!母さまも付き合ってあげましょう。」
止めて~。母上が本気になったら誰も止められないから!!ポトスが死んじゃうよ。
「お母様まで逃げたら大変になっちゃうわ!ポトスもユッカもギデオンも皆…お母様が居ないと…。うわぁーん。」
「よしよし。泣いてしまいなさい。プルメリア。国を率いていくということは難しいわ。貴方はまだ、6歳なのよ。政治や国の事が解らなくて当たり前なのよ?何でも出来るように見える母さまやポトスが羨ましい?自分も出来るようになりたい?」
私は我慢できず泣いて話し出した。だって辛かったのだ。私に父親が居ないのも当たり前だった。他人から家族を奪っていたのだから。与えられず欲しがる私はダメな子供なのだ。
「うん。でも、出来ない。獣人国の事すら何も知らないで…。私の父様やお祖父様は何故いないのか…って。私にも欲しい。罪人の子だって言われてきたのも嫌だった。でも…そんな資格私には無かったの…。ふっふぇー。」
「資格がないはずないでしょ?貴方は子供で罪を犯したのは貴方では無いの。親の因果が子に報いなんて馬鹿なことあるわけないでしょ。国王として賠償や反省は必要だけど子供として父親を求めるのは罪でも恥でも無いわ。これは犯罪を犯した父親が受けている罰なのよ。勘違いしないで。」
「父様が受けている罰?」
「そう。私に会えないのも、可愛い可愛い貴方の姿を見ることも出来ない、望むことも許されないのも彼が受けている罰なの。私が彼に会うことを望んでいないだけでプルメリアが望むのは許されるのよ。」
目から何かが落ちた様だった。だって誰もそんなこと…教えてくれなかった。望んでもいいの?怒られない?父に会いたいと言う私をー
「母さまは私が父様に会いたいと言っても怒らない?嫌いにならない?」
「まさか。私はプルメリアがどんな選択をしても嫌いにならないし、全力で応援するわ。今はそう思えるの…母さまも時間がかかったわ。ごめんなさい。
プルメリア、父様に会いたい?」
「会いたい!一度でいいの!会ってみたい!お話をしてみたいの!お願い母さま。」
「解ったわ。行きましょう。」
「セバス!カラー居るのでしょ?入りなさい。」
じじいが何かやらかしている!!
また囲みで正座説教案件か!