王都到着
「兄ちゃん!着いたぜ!ここが王都だ。元気にやれよ!」
....少し眠っていたようだ。俺はまだ覚めてない目を何とかこじあけ王都の門を見渡す。
「デカイな...王都には初めて来たんですが毎回人がこんなにも??」
「まぁ王都だからな....人はいつもよりは少なえくらいだぞ?これでもな!」
「えぇ俺初めて来たんですが、これより多い日もあるんですか....」
「まぁそうだな。じゃあ俺はここまでだ。また使ってくれよな!」
運転手さんに手を振りながら周りを見渡す。
人人人。例えるならばこれしかない。最後尾に並んでいるが未だに門番さんらしき人も見えないほどの長蛇の列だ。
でかい門の隣に一回り小さい門みたいのもあるが、あれは恐らく貴族専用の門だろう。....いいな貴族。
3時間くらい経ちようやく最前列まで来た。
「ようこそ王都へ!王都に入る前に軽い質問と検問をさせてもらう。まず王都への目的は?」
「王都の魔法学校の入学試験に来ました。」
「ってことは年齢は16歳ってとこか?身分証はあるか?」
....俺に身分証はない。まぁ捨て子だからってのもあるがこのみさんが学校の生徒手帳で代用出来るし、いざとなればギルドにでも行って作って来ればいいと言っていたから持ってきてはいない。
「いえ、持ってないです。もしかして入れませんか??」
「いや大丈夫だ!身なりもいいし身分はちゃんとしてるだろう。学校に入学して、受かって滞在する事になったら生徒手帳を持っきてくれればそれでいい。通行料として銀貨1枚は貰うぞ。」
「銀貨1枚ですね.....ではこれでお願いします!」
「よし、確認した。試験受かるといいな!行ってらっしゃい。」
....良かった。初めての王都だったが門番さんはいい人そうだな。試験は明日だしまずは泊まるところを探さないと。後は試験前に少し体も動かさないとまずいな。
おっと、あそこのニコニコしてる露店のおばちゃんにでも聞いてみるか。
「すみません!この辺りでどこか泊まれる場所ってありませんか???」
「お、あんた今年の入学生かい?宿ならちょうどそこの角曲がった突き当たりに【宿り木亭】って所があるから行ってみな!学生さんにもお得だよ」
「ありがとうございます!今度ここの果物買いに来ますね。では」
いいおばちゃんだったな。今の所王都は皆ニコニコしているし人当たりもいい。王都には来て正解だったかもな!学校には行きたくないが。
そうして俺はおばちゃんに教えてもらった宿に着いた。
「結構綺麗な見た目の所だな〜木の香りもいい。これでシャワーがあれば最高だな。」
「ねえちょっとそこの君。そこに立たれると邪魔なんだけど?」
俺は声の聞こえる方に振り向くとそこには同い年くらいの美女がたっていた。てか髪の毛真っ赤だな。。。初めて見たこんな髪の人。
「ねえ聞いてるの!?邪魔って言ってるんだけど!」
「あ、ああすみません。髪の色が珍しくてつい放心してしまいました。今どきますね。」
「髪の色が珍しいですって??あんたの方が珍しいわよそんな色見たこともないわ。まぁそんな事より私はその宿に泊まってるからほんとにそこ邪魔だったわ。では失礼するわね。」
「はい。本当に申し訳ないです。」
赤毛の女の子はスタスタと歩いて中に入って行ってしまった。てか俺の髪の毛の方が珍しいのか!?
周りを見渡すと確かにこんな薄い青色の髪色した人なんて1人も居ない。ただでさえ魔法も使えないし目立ちたくないんだけどなぁ......はぁ憂鬱だ。
「明日がもっと遅く来ればいいのに....っとそんなことしてる場合じゃない。俺も早く今日の寝床確保と行きますか。」
俺は憂鬱な気分になりながらもこの綺麗な宿の扉を潜るのだった。
メインヒロイン登場!!ちゃんと物語に絡むのはまだまだ後になります