短編続編2
その十年後、街中で君の姿を見た。
おかしいな、君はリジョレネータを取ってないはずなのに・・・
そこそこ年もとって、君を忘れられるようになった頃、ふとすれ違った人からなぜか君の匂いがした。
君がつけてた香水の匂い、なぜだろう?
まあ、いいか
なんて考える
君はいないわけだし
なんて、考えていたらリンが話しかけてきた。
「マスター、メッセージが来てます。莉奈様の従姉妹からという方から、許可しますか?」
「従姉妹?、いいよ、許可して」
「了解です、マスター」
どうせ、いたずらメッセージだろう
と思った・・・
莉奈に従姉妹がいたなんて聞いたことないし。
メッセージを読む
「廻乃宮ハル様(ののみや突然のメッセージ失礼します。
莉奈に頼まれたものがあり、渡したいものがあります。
×月×日の15時こちらのカフェでお待ちしております」
添付ファイルには、カフェの地図と手紙があった
ハルへと書かれた手紙
莉奈が手紙を書いていたなんて、初めて知った
なぜ、今時手紙なんだろう・・・
莉奈の従姉妹が渡したいものはこれか
疑ってはいたが、俺はカフェに向かってみることにした。
-当日、午後2時50分-
カフェに先に着いていた
少し早く着きすぎたか
疑ってはいた、もしかしたら嘘かもしれない
来ないかもしれない、ただ手紙が気になった
どんな内容が書かれてるのか
時計を見る、15時になっていた
コーヒーを飲みながら、待つ
ふと、懐かしい記憶がよぎる
そういえば、莉奈と会ったのはここだった
その時、店は混んでて相席になった
相席になって、話しが弾んだ記憶がある
友達と待ち合わせをしてて、友達が来れなくなった
せめてお茶だけでも飲んで帰ろうとしたと話したことがある
それから、連絡先を交換した記憶がある
その時、俺の席に座ってきた人がいた
「廻乃宮ハル様ですか?」
「涼宮奏音さん?」(すずみやかのん
「はい、そうです」
「なにか飲みます?、奏音さん」
「じゃあ、冷たいレモンティーをお願いします」
俺はAIに注文し、その間話すことにした。
「突然、メッセージが来てびっくりしました。莉奈に従姉妹がいたなんて、聞いたことなくて」
「内緒にしてたんです、莉奈に周りから知ってほしくないと言われて」
「ああ、なるほど」
俺は察する。
すると、奏音さんがいつのまにか帽子を外していた
俺はびっくりした、奏音は莉奈の兄弟かと思うほど似てたから
「あ、ごめんなさい、勝手に帽子とってしまって」
「大丈夫です、気にしないでください」
ちょうど、その時AIがレモンティーを運んできた
俺は、奏音の前に出す
「お話しますね」
「ああ、わかった」
「私と、莉奈は従姉妹だったんです...莉奈から時々あなたの惚気やら色々聞いてました。
それで、手紙を渡されまして、奏音にしかできないことなの。これ、渡してと言われました」
「ああ」
「それで、手紙を莉奈から渡すよう言われたんです。
もし、私がいなくなったらこれ、ハルって人に渡してねって
莉奈と、連絡が取れなくなって...そしたら、莉奈が交通事故にあって亡くなっていたって今さら聞いて
ハルさんに手紙を渡そうとしたんですが、中々渡せなくてごめんなさい...」
奏音から、手紙を渡される
俺は手紙を受け取った
今は少しだけ読むの怖いから、カバンにしまう
「ありがとう、奏音さん」
「いえ、それで一つ聞いていいですか?」
「なにを?」
「指輪をしてらしたので、もしかして結婚してらっしゃるのですか?」
「ああ、莉奈には悪いがシステム婚をね」
「そうなんですね、では、私は帰りますね。手紙を渡すのが目的だったので」
奏音はレモンティーの残りを飲み干し、お金を置いて店を出て行った
奏音が出て行った席をみつめ、考える
奏音は莉奈に似ていた
とてつもなく、ほんとに
それに俺が莉奈にあげたブレスレットもつけていた。
ふと、疑問に思うことがある
どうして俺のSNSを知っていたんだろ?
知り合いにしか教えてないはずなのに...
それにこのカフェは、初めて莉奈とデートをした場所だ
あの白いワンピースも、初めてデートした時に着てきたワンピースだ
俺はそんなことを考えながら会計を済ませ、店をでる
とりあえず、自宅に帰ろう
俺は、自宅に帰った
「ただいま」
誰もいない家に呟く
「ああ、そうか今日はみんな居なかったんだ」
玄関を開け、俺は部屋に向かう
莉奈の手紙を読みたかった
ベッドに寝転がる
あれから俺は、システム婚をした
自由恋愛とシステム婚があり、システム婚は相性、学歴、と色々調べ自分にぴったりの人をみつける。
それが「システム婚」だ
手紙を開くと
あ、君がつけてた香水の匂いがする
手紙を読むことにした
「ハルへ
ふと書きたくなったので、書きます。
リジェレネータは、私じゃないって言ったのは嘘。
ほんとは、リジェレネータを取ってたんだ
私は、いつまでもハルの隣で笑っていたかったから
けど、やっぱりやめました笑
ハルには、私がいなくなっても笑ってほしかったから
前に進んでほしかったから
新しい彼女には、嫉妬するかな笑
もし、十年後二十年後、まだ独身だったら結婚してあげてもいいよ笑
バイバイ、ハル」
20xx年x月x日
手紙はここまでだった
「バーカー遅いよ」
俺は、そう呟く
涙が出ていた
「もう、違う人と結婚したよ
手紙遅いよ、一年後ぐらいならまだ可能性信じてた」