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カーミラはミランダという同族と共に日の本へと、たどり着いた。
二人は日の本で「星の子」についての伝承をいくつか発見した。
それによると「星の子」は「またいつか、この地を別の『星の子』が訪れる」と告げたという。
二人は日の本で、次の「星の子」を待つことにした。
カーミラは祖国と同じく、欲望のままに人間を襲おうとしたが、ミランダがそれを止めた。
派手に暴れてはヴァンパイアハンターたちにまで、噂が届くかもしれない。
そうなれば、敵が日の本までやって来るおそれがある。
あるいは祖国のように、この日の本からもヴァンパイアハンターが生まれるかもしれない。
それらを避けるために、人間狩りは最低限にしたほうが良いと言うのだ。
カーミラは渋々、同意した。
残り少なくなった仲間同士で争うのは気が引けたからだ。
が、カーミラは疑いも抱いていた。
そもそもミランダは、人間を妙に気遣うふしがあった。




