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「トワ、俺はお前が好きだ」
優が言った。
トワが頬を赤らめ頷く。
優がトワを抱きしめた。
優とトワの唇が重なる。
二人が密着したために、忍びたちは刀を振るえなくなった。
トワに怪我をさせては元も子もない。
惨尾の右手がトワの肩に触れる。
瞬間。
トワの瞳が、お龍に力を与えたときと同じ青い光を放った。
光は範囲を拡大し、トワの唇から優の唇へと伝わっていく。
優の身体が青い光を放ち始め、その両眼はトワと同じく青く光り輝いた。
「何だ!?」
惨尾が驚きの声を上げ、忍びたちも混乱した。
青い光が完全に優を包み、その姿を隠した。
それも束の間。
青い光が収まっていく。
再び現れた優の姿は、極めて奇異なものへと変わっていた。
玉虫色に輝く具足のような物が、優の全身を覆い、まるで身体そのものの如く一体化しているのだ。
優の顔の部分のみが露出し、そこには透明の膜が張り、外の様子を見ることが出来る。
「これは!?」