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情けない声を上げて、飼い主を見つめている。
尾を股の間に挟んでいた。
牙を剥き、襲いかかる蛇姫の腹を龍虎の右の拳が空中で迎え撃った。
まともに打撃を受けた蛇姫が、すさまじい勢いで回転しながら吹っ飛び、最後には地面に落下した。
それでも勢いは止まらず、二、三度、飛び跳ねた身体が、ようやく止まる。
蛇姫は、すぐに立ち上がろうとするが、あまりの身体の損傷に上手くいかない。
がくがくと震え、地に顔をぶつけた。
「何をしておる! わらわに殺されたいのか!」
カーミラの叱咤にケルベロスが弱々しく吠えた。
龍虎の右手がケルベロスの頭をわし掴みにする。
龍虎の左手の手刀が、きらめいた。
首をはねられたケルベロスが倒れ、動かなくなる。
龍虎がケルベロスの首を捨てた。
「さてと」
虎造の声が言った。
「決着をつけようぜ」
龍虎が、にやりと笑った。
「おのれ、生意気な…」
カーミラの両眼が怒りに燃える。