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青い光が収まるとトワの側には、一人の人物がうつ伏せに横たわっていた。
裸だ。
丁度、虎造とお龍の中間の体格をしている。
黒い長髪。
筋肉の量も二人の中間。
虎造よりは細身で、お龍よりはがっしりとしていた。
倒れている人物が地に両手をつき、ゆっくりと立ち上がる。
その身体は男でもあり、女でもあった。
長髪が顔を隠しているが、隙間から爛々と輝く右眼は赤、左眼は青。
虎造でもない。
お龍でもない。
新しい生命。
龍虎が、そこに居た。
龍虎は自分とカーミラたちの間に立つ優の肩に、右手を置いた。
「坊主、ありがとうよ」
龍虎が虎造の声で言った。
「あとは、あたしたちがけりをつける。本当にありがとう」
お龍の声。
龍虎が優の前に立った。
「こ、これが『星の子』の力の一端か!?」
カーミラが気色ばんだ。
このとき、荒れ地にある大きな岩陰のひとつで突然、何も無い空間から姿を現した者が居た。




