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星繋ぎ  作者: もんじろう
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 ケルベロスは虎造が、蛇姫はお龍が負わせた傷であった。


 自分の下僕たちが形勢不利と見たカーミラが戦いの途中で介入し、虎造とお龍を血管の触手により散々に痛めつけたのだ。


「詩音めが、余計なことをしおって」


 カーミラが吐き捨てた。


「わらわに歯向かう者たちの手助けをするとは」


 苦虫を噛み潰したような表情だ。


 虎造とお龍は両手を地に着き、立ち上がろうとしていた。


 が、両脚を手酷く攻撃され、もはやそれは叶わない。


 全身の出血も尋常ではなかった。


 吸血鬼とはいえ、このままでは生命を失う。


「ぐっ…ここまでか」


 虎造は、うめいた。


 隣のお龍を見る。


 自分と同じくお龍も死にかけている。


 虎造は、お龍へと手を伸ばした。


 お龍がそれに気づき、自らも手を伸ばす。


 二人は手を繋ぎ、お互いを引き寄せた。


「龍、俺の血を吸え」と虎造。


 自分を犠牲にしようとも、お龍に少しでも長く生きて欲しかった。


「虎、あんたこそ」


 お龍が言った。

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