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星繋ぎ  作者: もんじろう
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 感心したように呟く。


 胸を打たれた蛇姫は地に落ちた。


 が、そのまま、名に恥じぬ蛇そのものの動きで優とトワの方へと向かって前進する。


 無法丸の一撃は、やはり楽法に邪魔されたことによって不完全であった。


 もちろん、無傷ではない。


 事実、蛇姫は口から大量に吐血している。


 だが、今の蛇姫はそれでも止まらない。


 己の命と引き換えようとも「星の子」を連れ帰る不退転の決意が、蛇姫を突き動かしていた。


「縫!」


未だ、楽法と戦い続ける無法丸が叫ぶ。


「そいつを止めろ!」


合点(がってん)だ!」


 縫の銀糸が飛ぶ。


 糸に拘束されるまでの間に、蛇姫はトワを背に庇う優の鼻先まで迫った。


 優はトワを守るためなら、蛇姫に噛みつかれようとも、その場を動かぬ決意であったが、トワのほうが優が傷つくのを恐れた。


 トワが優の背中を引っ張り、後ろへと退がる。


 が。


 そこはもう、崖の(ふち)であった。


 トワは足を踏み外した。


 優も体勢を崩し、トワを離すまいと抱きしめたまま、二人はいっしょに崖下へと落下した。


 蛇姫は縫の糸にぐるぐる巻きにされ、ようやく止まった。


「縫!!」


 再び無法丸が叫ぶ。


「星の子」の一大事に楽法も顔色を変え、攻撃の手を止めた。


「分かってる!!」


 縫が怒鳴り、崖の縁へと走る。


 崖下を覗き込む。

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