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星繋ぎ  作者: もんじろう
53/147

53

「そうじゃ! 許せぬ!」と惨尾。


 蛇姫は二人を無視した。


 夕暮れの光の中、無法丸たちをじっと見ている。


「断る!」


 無法丸が大声で答えた。


 縫が蛇姫たちに尻を向け、右手で「ぱーん」と叩いた。


 再び前を向き、あっかんべーをする。


 蛇姫が右手を上げた。


 一気に振り下ろす。


「殺れ!」


 一斉に包囲が狭まった。


 ウロコ衆たちはトワが傷つくのを恐れ、飛び道具は使えない。


 刀を構え、無法丸たちに迫った。


 二十人の手下に弐尾と惨尾も加わっている。


 蛇姫だけが最初の位置で様子を見ていた。


 無法丸たちは背面に敵が来る前に、正面を突破しようと突っ込んだ。


 無法丸を先頭に次が優、トワ、縫と続く。


 前方に四人の忍びが立ち塞がる。


 四人は同時に無法丸に突きかかった。


 四本の刃を無法丸の黒鞘が、次々と弾き返す。


 四人の背後から惨尾が跳んだ。


 空中で惨尾の身体が横方向に回転し、背中を向ける。


 常人であれば、敵に隙を見せる迂闊な動きだが。

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