表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星繋ぎ  作者: もんじろう
44/147

44

「ターシャ」


 華阿弥がターシャの両肩に手を置き、口を尖らせ、顔を近づける。


「いやーーーっ!!」


 今度は華阿弥の左頬をターシャが思い切りぶった。


「『時間管理局』のルールで、ここまで事情を知ったお師匠様の私に関する記憶を消去しなければなりません」


 ターシャが悲しげに告げた。


「そうですか…その前に、今のびんたで記憶が無くなりそうでしたよ」


 左右の頬を真っ赤に腫らした華阿弥が答えた。


 ターシャが左手首の光る帯を右手の指で何やら叩きだす。


 ぴっぴっぴっと、かん高い音が響いた。


「それじゃあ、これからお師匠様の私に関する記憶を消しますね」


「どうせ消すなら、最後にちょっとだけでもお願いします!」


「師匠っ!!」


 ターシャの大声に、華阿弥は抱きつこうとする動きを止めた。


「すみません」


 華阿弥が謝った、次の瞬間。


 眼も(くら)む強烈な閃光が起こった。


 それと同時に。


「華阿弥お師匠様、ありがとうございました。さようなら」


 ターシャの声が華阿弥の耳に聞こえた。


 光が消えた。


 檜舞台には、華阿弥だけが座っている。


「ん?」


 華阿弥が言った。


「稽古の途中でした…か?」


 怪訝(けげん)な表情。


 華阿弥の記憶から、ターシャに関するものは完全に消えていた。


「おや?」


 華阿弥が驚く。


「これは…女人の甘い香り…」


 辺りを見回す。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ