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忍びたちは包囲の輪を狭め、少年たちへと近づいた。
日に焼けた少年は、周囲の忍びたちから出来るだけトワを守ろうと背中に庇う。
トワの白い腕が少年の腰に回され、二人が身体を密着させる。
「大丈夫だ、トワ。お前は俺が守る」
少年が言った。
しかし、これだけの人数の忍びたちに囲まれては、言葉とは裏腹に顔色が青ざめている。
「『星の子』だけを生け捕れ。もう一人は殺せ」
先ほど喋った忍びが言った。
忍びの顔が月明かりに照らされると少年が息を飲んだ。
忍び装束の頭巾から覗く顔が、人のそれではなくウロコに覆われたトカゲそのものだったからだ。
よく見れば袴に穴が開けられており、尻の部分から太い尾が外に出ている。
「「ははは」」
トカゲの忍びの左右の二人が同時に笑った。
「こいつ、驚いてやがる」
右の男が言った。
「びびりすぎて、漏らすんじゃねぇか?」
左の男が言った。
二人が被っている頭巾をめくり上げると。