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星繋ぎ  作者: もんじろう
31/147

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「これでしばらくは人を襲わずに済む。効き目が切れた後は…お前たち次第」


 詩音が言った。


 今度はお龍のそばへ移り、虎造にしたことをそっくり繰り返した。


 虎造とお龍の身体は痙攣を続けたが、その間にみるみるうちに全身の傷が元に戻り、回復していった。


 致命の傷さえも塞がっていく。


 二人の眼の焦点が定まり、両手を地面につき、上半身を上げた。


「こいつは…?」


 虎造が言った。


「助かったのかい?」


 お龍は驚きの表情を隠せない。


「お前たち」


 詩音が地に伏せた二人に声をかけた。


 二人が詩音を見上げる。


「これだけは言っておく。日の光を浴びてはならない。瞬く間に身体が崩れ、一度は逃れた死の運命が、お前たちを捕まえるだろう」


 そう言うと詩音は、しずしずと歩きだし、徐々に晴れ始めている霧の中へと姿を消した。


「何なんだ、いったい…」


 虎造が言った。


 立ち上がり、お龍の手を取って立たせる。


「虎、どうする?」とお龍。


「そうだな…」


 虎造は思案した。


「とりあえず、やらなきゃならねえことは決まったな」


 にやりと笑う。


「あのカーミラとかいう女を一発ぶん殴るんだろ?」


 お龍が、ふふんと笑った。


「あたぼうよ」


 虎造が大きく頷いた。




 無法丸は気づいた。


 後方より追いすがってくる異様な気配を。

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