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星繋ぎ  作者: もんじろう
22/147

22

 女は無法丸を見つけるや叫び、飛びかかった。


 無法丸の刀の鞘が女の横っ面を叩き、ふっ飛ばす。


 女は部屋の壁にぶつかって、床に落ちる。


 が。


 ゆらゆらと立ち上がった。


 手かげんしたとはいえ常人では、すぐに立ち上がれぬ一撃であったはず。


 無法丸の顔が曇った。


 優とトワを後ろに庇い、窓側へと動いたところで。


 突然、隣の部屋の襖戸が壊れ、三人の男が飛び込んできた。


 皆、女と同じ様子で牙をむき、爪を振りかざしている。


 優とトワは無法丸に守られ、新手の三人とは離れていたが、棒立ちで男たちの側に立つ女が一人。


 縫である。


 三人は一斉に縫の艶っぽい肢体に襲いかかった。


「縫っ!!」


 無法丸が叫ぶ。


 刹那。


 銀色の光が無数に疾った。


 そして。


 三人の男たちは、一瞬のうちに。


 天井にくくりつけられていた。


 男たちの真下で縫が片ひざをついている。


魔糸(まし)ばり」


 縫が言った。


 にやりと笑う。


 縫の掌中より無数の銀色の糸が伸び、三人を天井に縫いつけているのだ。


 男たちは、まったく身動きがとれない。


 縫の超絶の技を驚く無法丸に、先ほどの仲居が再び飛びかかった。


 無法丸が息を吸う。


 吐くと同時に、刀を空中の女の喉に突き入れた。


 女の身体が、まるで弾丸のように、まだ破れていない障子へと飛んでいく。

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