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ターシャの左手首の帯が、ぴぴぴっと音を立てた。
ターシャが帯を見る。
「あ。トワさんが、この時間軸から消えたので、私にも帰還命令が出ました」
「帰るのか?」
「はい!『未来』に帰ります」
「『未来』?」
無法丸が首をひねる。
「聞いたことない場所だな」
「えへへ」
ターシャが頭をかく。
「さあ」
無法丸が祭壇のある場所から出る道へと歩きだした。
「じゃあ、俺も行くとするか」
「無法丸さん!」
ターシャが呼びかけた。
無法丸が振り向く。
「何だ?」
「これから、どうされるのですか?」
「そうだな」
無法丸は右手を顎に当てて考えた。
「手ぶらっていうのは、どうもな」
にやりと笑った。
「まずは刀を探すとするか」
無法丸の瞳が、きらりと輝いた。
おわり
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ホントに大感謝でございます(T0T)
「異戦国」シリーズの第3作は、これにて閉幕ですが、物語は続く第4弾「武龍伝」へと続きます。
果たして、どうなりますことか(☆∀☆)




