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星繋ぎ  作者: もんじろう
145/147

145

「お前たちは自分たちの生活の便利さのために、トワを危険な目に遭わせたのか?」


 無法丸は、むっとなった。


「違います、無法丸さん」


 トワが言った。


「僕は自分で志願しました。僕が持ち帰るエネルギーで、この星の大勢の人たちが救われるからです。飢えや病気で亡くなってしまう人を助けたかったので」


 トワの真っ直ぐな眼差しを見て、無法丸は頷いた。


「さすが、優が惚れるだけのことはあるな。お前も、しっかりと腹が据わってる」


 無法丸と優とトワは笑い合った。


「さてと」


 無法丸が言った。


「もう一度、あのゆらゆらした扉を開けてくれよ。俺は帰らないとな」


「無法丸さん」


 優が言った。


「俺といっしょに、ここに残りませんか?」


 トワも強く頷く。


「僕たちは無法丸さんを歓迎します」


 無法丸は首を横に振った。


「ここは、お前たちの場所だ」


 優とトワの肩に、無法丸が手を置いた。


「お前たちが考え、見つけ、ここにたどり着いた。お前たちの選んだ場所なんだ。俺は今まで」


 無法丸は眼を閉じた。


「自分のことは何も考えなかった。他人の事情に乗っかるだけだ。日向や縫、そしてお前たちに出逢って、俺もやっと自分ってやつを真剣に考える気持ちになれたのさ。俺はあっちに戻って」


 無法丸が、(あご)で蜃気楼のあった場所を指す。

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