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星繋ぎ  作者: もんじろう
133/147

133

 トワが頷く。


「思い出しました」


 トワは石造りの祭壇の寝台のような平面に両手をついた。


 そして祭壇の上に横たわった。


 優が心配そうに見守る。


 無法丸は辺りに油断なく視線を走らせた。


 周りは岩場で、入ってきた以外に道は無い。


 祭壇に横たわるトワが、ぶつぶつと何かを呟く。


 それは無法丸と優が今まで聞いたこともない不思議な抑揚を持つ、意味不明な言葉だった。


 トワの両眼が青く輝き始めた。


 澄んだ温かい光。


 無法丸と優は異変に気づいた。


 トワの居る祭壇の後方の空間が、蜃気楼の如く揺らぐ。


 揺らぎはどんどん大きくなり、無法丸の背丈の倍ほどの高さになった。


 横幅は祭壇よりも長い。


 そして。


 蜃気楼の中から、トワの瞳と同じ青く優しい光が差し込んできた。


「何だ、これは!?」


 無法丸が驚く。


 蜃気楼の向こうには複数の建物が見える。


 無法丸が見たことのない、やたらと曲線の多い不思議な形だ。


 ぼんやりとした人影も見える。

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