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星繋ぎ  作者: もんじろう
13/147

13

 トワが、ある方角へと行きたがる回数が日に日に増え、優の母と優がいよいよ困り果てていた矢先。


 村が昨晩の襲撃を受けたのだ。


 異常を感じた優の母は二人を逃がし、自らはウロコ衆によって殺されてしまったのだった。




 その後は無法丸と縫が知る顛末(てんまつ)となる。


 優の話を聞き終わった無法丸の片眉が、ぴくりと動いた。


「それでトワが行きたがる方角へ、お前一人で連れて行くと?」


 無法丸の言葉に優は頷いた。


 一夜にして母や村の仲間を失ったというのに、優は気丈に振る舞っていた。


 皆を弔ってからは一度も涙を見せていない。


「もう、村の生き残りは俺たちしか居ない。俺はトワを守って、行きたい場所へ連れて行く」


 無法丸に向けた優の顔は少年であるにもかかわらず、不退転の決意が浮かんだ男の顔になっていた。


(いい顔だ)


 無法丸は思った。


「それは好都合!」


 縫が両手を打った。


「くそがき二人は旅に出る。あたしと無法丸は、しっぽりと」


 そう言って縫が無法丸に艶っぽく寄りかかった。


 無法丸が無言で縫の頭をぽーんと押し返す。


 縫はくるくると踊りのように回った後で、両手を広げてぴたっと止まった。


「ぱっ」


 縫が言った。


「優」


 無法丸が呼んだ。


「お前、路銀は持ってるのか? そもそもトワが行きたい場所まで、どのくらいなのか分からないんだぞ」


 無法丸に指摘され、優の顔が曇った。


 確かにそうだった。


「そうそう、諦めな」


 縫が、さっきと真逆を言い始める。


「くそがき二人で旅なんて無理、無理。すぐに悪党に殺されて終わり。それはまだましで、(さら)われて(なぐさ)みものにでもされてみな。地獄が待ってるよ。ここに残ったほうがいい。そして、あたしと無法丸はこの先の宿場でしっぽりと」


「俺がいっしょに行ってやる」


 無法丸が少年たちに言った。


「そうそう。無法丸はくそがきたちといっしょに行く。あたしは一人でしっぽりと…ん?」


 縫が首を傾げた。


「ちょっと、何を言ってんだい!?」

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