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「その顔に」
虎造が言った。
「このげんこつをぶち込んでやる」
虎造が右の拳を突き出して見せた。
カーミラが両手のひらを龍虎に向ける。
一斉に血管触手が飛び出す。
「おおおおおおおっ!!」
雄叫びと共に龍虎が大量の触手の中へと突っ込んだ。
左手の手刀が一瞬で、全ての触手を半ば程で切断する。
龍虎が右拳を後方へと引き絞った。
切断された触手が束なり合い、鋭い刃先を持つ四つの鞭に変化する。
鞭が龍虎を襲う。
しかし、龍虎の左手が次々と鞭の刃を迎え撃ち、弾き返す。
カーミラのドレスを引き裂き、その美しく豊満な肉体から無数の血管触手が飛び出した。
大量の触手は大波の如く、龍虎の眼前へと殺到した。
「くらいやがれっ!!」
咆哮と共に龍虎の右拳が放たれる。
渾身の一撃は触手の壁を突き破り、カーミラの顔面へと正面から叩き込まれた。
カーミラの顔の骨が粉砕される。
カーミラは仰け反り、後方へと吹き飛ばされた。
が。




