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星繋ぎ  作者: もんじろう
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 しかし、考えてもカーミラの意図は分からない。


(たとえ罠だとしても、とにかく近づくしかねえ)


 虎造は迷いを振り払った。


 龍虎が吸血鬼たちの壁へと突進する。


 今まで以上の激しい攻撃でカーミラへと迫った。


 カーミラは龍虎の動きを見て、(きびす)を返す。


 龍虎との距離が最初のところまで来ると再び振り返る。


 その攻防が長々と繰り返された。


 そしてついに。


 カーミラと龍虎の邪魔をしていた吸血鬼たちが全て倒され、新手も現れなくなった。


 カーミラが逃げだした。


「往生際が悪いぜ!!」


 お龍が叫ぶ。


 前方に小さな山の斜面にある洞窟の入口が見えてきた。


 カーミラは、その洞窟へと逃げ込んだ。


 龍虎も、すぐに後を追う。


 ある程度、奥まで進んだカーミラが龍虎へと振り返った。


「やっと、さしの勝負だな」


 虎造が言った。


 カーミラの顔が憎悪に歪む。


「お前たちのような下等な者に(わずら)わされている暇はない。わらわは『星の子』を手に入れる」

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