表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星繋ぎ  作者: もんじろう
119/147

119

 その姿を見るやいなや、カーミラは無法丸側でも龍虎側でもない方向へと丘を駆け降り始めた。


 黒ドレスの(すそ)が、めくれ上がるのもかわまぬ疾走だ。


 龍虎も走りだした。


「逃がすかよ!!」


 虎造とお龍が、ひとつの口で同時に叫んだ。




 無法丸が跳んだ。


 今の無法丸と美剣の距離は、美剣の大刀が届くか届かぬかの間合い。


 無法丸が攻撃するためには、一気に距離を詰める必要がある。


 弾丸の如く跳んだ無法丸は刀を右腕で振りかぶり、一直線で美剣へと迫った。


 美剣の兜に黒塗りの鞘を振り下ろす。


 体内で練り上げた気は右肘の辺りに進み、美剣の頭に鞘が当たる瞬間に刀身へと伝わる。


「うおおおおっ!!」


 無法丸が咆哮した。


 美剣の兜ごと頭を叩き潰す渾身の一撃。


 美剣の兜と頬当ての隙間の両眼が、すさまじい殺気と共に強烈に輝いた。


「大剣豪斬りっ!!」


 斬っ!!


 気迫と共に抜き放たれた大刀はトワに被害が及ばぬ配慮のため、空中に居る無法丸に下方から襲いかかり。


 次の瞬間。


 無法丸の右腕を肘の部分で切断した。


 練り上げた気は行き場を失い、刀を持った前腕部が離れていく。


 無法丸の感覚は不思議と、ゆっくり流れた。


 全てが遅くなった。


 いや、無法丸の知覚のみが先走っているのか?


 (これが死ぬ直前というやつか?)


 無法丸は思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ