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気がかりはヴァンパイアハンターだが、奴らはこの極東の地には未だ現れてはいない。
カーミラは楽観的だった。
奴らが来るには、やはりここは遠すぎるのだ。
あとは伸び伸びと「星の子」の出現を待つだけ。
と、そこに下僕たちから将軍家が「星の子」捜しの命を下したとの報が入った。
将軍家は己の権勢を取り戻すために「星の子」を欲しているのだろう。
カーミラは下僕たちを野に放ち、「星の子」捜しを始めた。
そして「星の子」が居ると分かった宿場を急襲したのだった。
「星の子」に「太陽の無い世界」への道案内をさせる。
「太陽の無い世界」に行けば、本当の意味での安息が訪れるだろう。
「星の子」を手に入れるためには、今後も必ず邪魔をしてくる龍虎を倒さねばならない。
(まさか、こんな大事なところで詩音に邪魔されるとは。余計なことをしおって! やはり、あの女とは相性が悪い。出来るならば八つ裂きにしてやりたいが。今は奴の眷族のしつこい二人を殺すのが先)




