101/147
101
薄々、気づいてはいたが黙っていたのだという。
その我慢が、とうとう限界を迎えたと。
カーミラは開き直った。
自分の本能に従って何が悪いのか?
自分を止める権利は同族であるミランダにも無いと宣言した。
カーミラとその下僕たちと、ミランダとその眷族たちは、一気に険悪になった。
このままでは戦いへと発展する。
まさに、そんな雰囲気であった。
カーミラは覚悟を決めた。
己に素直に生きるためならば、ミランダとの対決も辞さない。
一歩も譲る気は無かった。
先に折れたのはミランダだった。
カーミラを止めることは諦める。
ただし、その行動を間近で見ているのは耐え難いので、ミランダたちは日の本を出ていくという。
カーミラは、その提案を承諾した。
正直、考え方が違うミランダたちと離れられると思うと清々した。
ミランダたちが日の本を去り、カーミラは自由になった。
思う様、人間を襲い、食らえる。
もう、誰も止める者は居なかった。




