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星繋ぎ  作者: もんじろう
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1

 我々の知る戦国とは違う世界の戦国。




 夜の闇の中、辺りを照らし燃え上がる炎。


 小さな村の全ての家々が燃え盛り、火の粉を飛ばしていた。


 外に居る村人は、わずか数人。


 それも皆、深傷を負い、死にかけている。


 その中の一人、背中を斬られた女がうつ伏せで這い進みながら、うわ言のように何かを喋っていた。


 女の前に人影が立った。


 すらりとした長身の男。


 細身だが、弱々しくはない。


 猫科の大型獣のような、しなやかな筋肉。


 二十代半ば程か。


 風体は浪人のそれだ。


 長髪を後ろで、ひと括りに束ねている。


 精悍な顔立ちであった。


 左手に、やや大振りの刀を握っている。


 刀は黒塗りの丈夫そうな鞘に納まり、不思議なことにその周りが細めの鎖で、ぐるぐる巻きにされていた。


 男の澄んだ両眼が死にかけている女を見つめた。


「いったい、どうした!?」


 男が言った。


 女が何かを喋った。


 必死に訴えようとするが、声が小さい。


 男が女に顔を寄せた。

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