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ドS達への気持ちー姫ー

ブックマークをありがとうございました♪

先週投稿予定が胃腸炎になり遅くなりました……。

初夜も無事に終わり、その後の2日間は陛下とゆっくり過ごせる時間を頂きました。


最初の1日はベットの上で陛下の愛をずっと受けていましたが、2日目の今日は陛下と私の部下達の心配と忠告を受け入れ服を着たまま節度?あるイチャイチャをしていました。


会話が途切れるとイチャイチャが加熱してしまうので、なるべく会話が続くようにしています。


「結婚式の姫は、とても美しかったな。衣装も素晴らしかったが、もう見れないと思うと寂しく感じてしまう」


一緒にソファーに座っていた陛下が私の手を握り仰いました。


「結婚式の陛下も凛々しくて素敵でしたけれど、その素敵な正装のお姿は儀式でまた見れますわね。私の花嫁衣装は、そうですわね…娘が生まれて着たいと言ったらまた見れますわ」


私がそう言うと、陛下は優しい笑みを浮かべました。


「私と姫の子があの衣装を着ると思うと感慨深いが、姫が着る事が無いのが寂しいと思ったのだ」


「そ、そうですか」


陛下が見たいなら着て差し上げたいけれど、普通のドレスより人の手と時間がかかってしまうし、コッソリ着るのは無理だから……どうしましょう。


「フッ、そんなに真剣に考え込むな。もう見れないからこそ寂しいが永遠に覚えている」


陛下は楽しそうに笑った後、愛おしそうに私を見つめます。……何故か甘い空気になってしまいますが、昨日の私達はろくに食事をせず愛し合ってしまったので…いけないわ…また互いに寝食を忘れてメイド達や騎士や部下を心配させてしまう。


そうだわ。


「へ、陛下。そう言えば気になっていたのですが」


「どうした?」


「私付きのメイドだったあの子は、ちゃんと再就職出来たのでしょうか?」


ずっと知りたかったのです。

推薦状は書いたのですが、その後の事は教えて貰えなかったので。


「大丈夫だ。姫と私の国の国境付近にある辺境伯の邸に勤めている」


「そうですか。この国に呼ぶ理由はどうされたのですか?」


「表向きには、姫に求婚するにあたって姫の好きな物を聞きたいと呼び出した。辺境伯も快く送り出してくれた。心配は無い」


「良かった……でも、求婚しない事態もあり得ましたのに」


「その時は、別の良縁に恵まれたと言うつもりだったのだろう」


「そうですか。結果的に陛下と結婚しましたし大丈夫ですわよね……」


解雇の件は極秘にしてくれたみたいですし、辺境伯の所で私と同じタイプの人に一目惚れをしてなければ、きっと大丈夫よね…きっと。


「気になると言えば、メイドは姫に無礼を働いて解雇されて当然の事をしたと言ったが……具体的に何をしたのだ?」


うーん、言ってもいいかしら。

むしろ、この機会に言ってしまう方がいいのかも。


「メイドが解雇された理由は、私が苦手な虫を何度も私の部屋に放ったからです」


「何故そんな事を?」


そう思いますわよね。


「私の悲鳴と嫌がる顔が、とても美しくて甘美で全身に快感を得られるからだそうです」


「……」


陛下は意味が分からない。そんな表情をされています。ですよね。


「……そのようなメイドに姫は何故推薦状を書いたり、心配をするのだ?」


「それ以外は、優しくて有能なメイドだったのです。あの子は編み込みが上手で誰よりも素敵な髪型にしてくれたり、私の体調を考えてお茶を用意してくれて…他にも裁縫も上手でしたし…きっと、私に一目惚れしなければ有能なメイドですので」


そう、それさえ無ければ本当に有能なメイドでした。


「一目惚れ? 姫に?」


陛下は、ますます不思議な顔をします。なので、私はメイドを含む代表的な一目惚れドS達の事も話しました。


「宰相の令息とあの少年が……」


話し終えると、陛下は意外そうにつぶやきます。


「陛下が私を初めて見た時に居た子と、ピアノを弾いていた時に居た少年ですわ」


「なるほど。確かに姫は怪我をしていて、ピアノの時は姫は叱責されていたな」


陛下は厳しい顔で考え込んでいるみたいです。

あっ、いけない。将来的にドS二人と陛下は外交的にお付き合いをするはずだわ。なら、フォローしないと。


「でも陛下、彼らにも良い所はあるのです。宰相の息子は私が怪我や病気をすると言葉は厳しいですが素早く対処してくれて。場合によってはメイドや騎士達より早く気づいてくれました。お見舞いにはいつも赤い薔薇を持って来てくれて」


そう、彼にはそんな優しさがありました。


「姫は薔薇の中で赤が一番好きだと言っていたな」


「ええ。彼も知ってくれていました。それに少年の彼も天才的な魔術師なので魔石を大人達と取りに行ったりしていたのです。その時に水晶や紫水晶を私にプレゼントしてくれたり。しかも『姫はきっと落ちていた水晶じゃないと貰ってくれないでしょうから』と、自然に落ちた物をわざわざ選んでくれたのです」


「水晶は長い年月をかけて出来る。姫はそれを、もぎ取るのは好まないのだな」


「そうですわね。そんな思いを言った事は無いのに気づいてくれて」


はにかんだ笑顔でくれた水晶達は今も私の宝物です。

そう、メイドも宰相の息子も天才魔術師も優しくて良い所も温かい思い出もたくさんあったのです。


「皆、私に一目惚れなんてしなければ良かったのに」


「……姫」


「それなら私は…彼らを…」


視界がボヤけます。

えっ? 何?


「そうか……姫は彼らが好きだったのだな。だから、悲しかったのか」


陛下はポロポロ流れる私の涙を手で拭きながら言います。


「……」


言葉が出なかった。ただただ涙が溢れてしまいます。


「姫、おいで」


そう言うと、陛下は優しく私を抱き寄せました。


「今日の姫の涙は流すべきものだ」


「……陛下」


私は陛下の胸で泣いてしまいました。声は出さずただ涙が溢れます。

そう、私は彼らが好きだったのだわ。メイドは優しい姉の様に、宰相の息子は少し厳しい兄の様に。天才魔術師は可愛い守るべき弟だと思って愛していたのだわ。


だから、頼れる優しさの裏にあった物、厳しい言葉の裏にあった物、私の怪我を心配する裏にあった物、それが分かって悲しかったのだわ。


「……陛下……」


「たくさん泣いていい。姫はきっとメイドや騎士達に心配をかけないように平気なフリを無意識にしていたのだろう」


そうなのかしら?

……そうね、メイドの時も宰相の息子の時も天才魔術師の時も、騎士もメイドも皆心配そうに私を気遣っていた。

彼等はいつも私を守ってくれていた。だから、私は大丈夫だと安心して欲しかった。


ここには陛下しかいない。

だから私は泣いている。

陛下の優しさに甘えているのね。無意識に。


「大丈夫か? 頭が痛くなったりしていないか?」


陛下は私の額を撫でながら仰った。


「……少し、痛いかもしれません」


私がそう言うと、陛下は治癒魔法を使ってくれた。


「目の腫れも取ったが……他に痛んだりしないか?」


「……はい」


陛下はどうしてこんなに優しいのかしら?

……陛下も泣きすぎて頭が痛くなった事があるのかしら?


「どうした?」


陛下をずっと見つめていると優しい目をして陛下が聞いて下さる。


「……陛下も泣きすぎて頭が痛くなった事が?」


男性である陛下に、強く国王らしく努力してきた陛下に聞いても良いのか迷ったけれど……。


「……そうだな。小さい時は良くあった」


陛下は優しい笑顔で答えてくれた。


「そうなのですね。今、初めて治癒魔法が使えないのがとても残念に思いました」


いつか陛下に辛い事があって泣く日があった時、私は陛下の様にしてあげられない。


「姫の存在は治癒魔法より偉大だ。だから、今のままの姫が良い」


「そんなこと……」


「あるに決まっている。言っただろう? この5年間、辛い時には姫を思い出し頑張れたと。治癒魔法など関係ない」


陛下の腕の中で陛下の優しい眼差しを受ける。


「ですが……」


「姫、私は今どんな顔をしている?」


「……? いつも通りの優しいお顔です」


「そうか。姫が居ない時も同じ顔だと思うか?」


「……いいえ」


「どうしてか分かるか?」


「陛下の武器は冷静沈着に即決即断をする名君の顔だからですか?」


「そうだな。もっとキツく言えば、冷酷無比で即決即断する威圧感がある無表情な顔が私の武器だ」


「……」


「今の私は演技をしていると思うか?」


「いいえ!!」


思わず私は強く否定した。


「そうだ。演技じゃない。姫だけに見せれる顔だ。治癒魔法を持たない姫に私が優しい顔を向けるのは姫を愛し幸せだからだ。だから、今のままで姫は充分価値がある」


「……はい」


「こればかりは、少し宰相の令息を恨んでしまいそうになるな」


「えっ?」


「姫は自分の駄目な所を見ようとし過ぎる。それは彼のせいだろう」


「ですが…彼に注意されたところを直すと皆が褒めてくれました」


「彼は褒めたか?」


「……いえ」


「姫は努力し続ければ、いつか彼が褒めてくれ喜んでくれると思ったのではないか?」


「……」


また、涙が出そう……。


「姫、すまない。強く言い過ぎた」


「いえ、陛下の仰る通りです。私は彼に『姫、良く頑張りました。厳しくしてきた甲斐がありました』と、優しく微笑んで欲しかったのです」


ポロリと一雫の涙がこぼれた。

いつか叶うと思っていた。でも、叶わなかった。

その理由を知った時、とてもショックで悲しかった。

彼が彼である以上、叶う事ない望みだったなんて。


「私も父王に対し同じ事を思っていた。父王は死ぬ間際に私が望む言葉を言ってくれたが……。それは、姫のおかげだ。姫のおかげで私は頑張れたのだから」


陛下は私を抱きしめたまま頭を撫でる。


「難しいな。姫のおかげで私は父王に愛されていたと実感出来たが、その姫は痛みを与えられただけ。だが、もし彼が姫の望む言葉を言える男なら姫は彼に恋をしたかもしれないな」


そうかしら?


「……良く分かりませんが、ドSというのは止められたり治せるのでしょうか?」


「それは私にも分からないが、隣国の王太子は変わらないだろうな。だが、宰相の令息と少年は姫を助けた。それは彼らの姫への愛情に思えた」


「私を助けた?」


「姫の兄上の誕生祝いの宴の時と結婚式の時だ」


「あれは助けたと言うのでしょうか?」


誕生祝いの宴の時は助けて貰った様に見えたけれど、結婚式の時は私の我慢や努力を完全無視された様に思ったけれど。


「誕生祝の宴の時は明らかに助けてくれただろう。結婚式の場合は姫にとっては望まぬ事だったかもしれないが、私としては言えない姫の代わりに行動してくれた彼らには感謝している」


「そうですか」


「私は彼らは姫を守って来たのだと思っていた。だから結婚式の日にそう聞いた。宰相の令息は『恥ずかしながら、姫を守ったのは今日が最初で最後です』と、言った。実際は二回目だったが、姫の話を聞いて彼の複雑な思いが分かった気がする」


「……」


「彼は、自分が姫を幸せに出来ないと理解していたのだろう。だから、自分達に似ている王太子から姫を守ったのだろう」


「……私の幸せの為にですか?」


「そうだな。それが彼等なりの謝罪だったのかもしれない」


「謝罪……」


「彼等が姫を傷つけ泣かせたのは事実だ。姫は彼等をどう思う?」


「……どうして? というのが正直な気持かもしれません」


「そうだろうな。本当に難しい。姫は本来(ほんらい)人を疑わない。人の良い所を無意識に見ようとする。彼らがいなければ姫が王太子の本質を見破る事は出来なかったかもしれない。だが、本来の姫だったなら王太子はこんなにも姫に執着しなかったようにも思う。姫にとってどちらが良かったのか……」


陛下は困ったような顔をして言います。

私に取ってどちらが良かったのか……。


「きっと、彼らがいて良かったのだと思います。だって、そのおかげで陛下と結婚出来たんですもの」


色々と複雑な思いはありますが、彼らがいなければ彼らがドSじゃなければ陛下と結ばれなかったでしょう。それは確かなように思いました。


「そうだな。彼らが普通の男なら姫はどちらかと結婚していたかもしれない。だが、姫が傷ついた事実は許しがたいな……。なかなか難しい感情になる。結婚式の時は彼らに感謝もしていたのだが……」


陛下はさらに困ったように私の頬を撫でながら言うのでした。


「騎士やメイドにはこう言われました。『姫の容姿や性格は普通は守りたいと思わせますが、一部の方にとってはイジメたいと思わせるのです。特に姫に一目惚れをする方は後者の傾向が強いと思われます』と。やはり、彼らの存在が無ければ気づかない事でしたし」


「難しい話だな。彼らは自分を抑えられず姫から引き離されたが、それでも姫の幸せを望んだ。王太子の様に救いがたい男にも思えない。だからと言って彼等の行動を全て肯定するべきでは無いとも思う」


「そうですわね。ですけれど、全てを否定も出来ないと思いますわ」


私は陛下にギュッと抱き付きました。

彼等とのさまざまな思い出とその時の感情が私の中で溢れます。

『恥ずかしながら、姫を守ったのは今日が最初で最後です』

宰相の息子が陛下に言った言葉、これが彼の……彼等の精一杯なのだろうと思いました。


「良い思い出も悪い思い出も全てがもう起こってしまった事です。でも、きっと全てが今の幸せに繋がっていたのかもしれません。ならば、私が彼等を好きだった事も真実を知ってショックを受けた事も必要だったのでしょう」


陛下が言った様に彼等の全てを肯定する事も否定する事も出来ない。

だけど、陛下と結婚する道筋の中で必要だったのだと思う事は出来ます。


「姫は強いのだな」


「そうでしょうか?」


「姫が強いのは姫が優しいからだ。だが、姫が傷つくのもそれを隠そうとするのも姫の優しさだ。姫、私は姫を愛している。だからどうか守らせてくれ」


「私が強いかは分かりませんが、陛下がお強いのは優しいからと私にも分かりました。私も陛下を愛しています。だから、私も陛下を守ります」


「……そうか。姫に守って貰えるように姫の理想の夫となろう」


「もう理想の夫ですわ」


私は陛下を見つめました。

自然と顔が近づきます。


もう何度目かも分からない熱い口付けを交わします。


「……姫」


陛下は愛おしそうな声で私を呼びます。

それに答えたくなるのですが……。


「……陛下……。ダメです……」


これ以上してしまうと、昨日の様に求め合ってしまう。

流石に今日は皆に心配を掛けたくないし……。


「今日は朝も昼も食べたし、お茶の時間までしたのだ。夕食の時間まで愛し合っても文句は言われないだろう……。姫……嫌か?」


……嫌な訳無い。


「夕食までなら……」


陛下は私を横抱きにしてベットまで運びます。

優しく口付けを交わしながら、昨日の様に私を愛してくれます。

私も昨日の様に陛下を求めてしまいます。


「……姫、愛している」


熱い吐息と共に陛下が仰います。


「私も……」




結局、私達は昨日と同じように愛する事を止められず、夕食の時間になってもずっと愛し合ってしまいました。


……節度あるイチャイチャを守れなかった私達は、気まずい朝を迎える事になるのでした。

楽しんで頂けたらいいですが。

次回は陛下と姫の部下達の気持ちを書きたいと思っています♪

地球史上最大級の台風がやってきますが皆さまお気を付けくださいませ。


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