陛下の悩み 1
お久しぶりです♪
陛下目線になります。
「なるほど~。王妃は「初恋の君」じゃなくて「一目惚れ」にトラウマを持ってたんですか~。宰相の案が裏目に出てたなんて皮肉ですねー」
私は今、幼馴染の近衛隊長と剣の稽古の後に雑談をしている。
「しかも、ことごとく相手がドSって。陛下より苦労している王族はいないと思ってましたけど。何か王妃は違う方向でめちゃくちゃ苦労してますね~」
彼の剣の腕と役職のおかげで二人だけしかこの場に居ない。相変わらず彼は遠慮が無い言い方をする。
「そうだな。だから、もう二度と姫には傷ついて欲しくない。姫を守りたい」
「……うーん。もう王宮の中では王妃は聡明で明るく優しいと評判です。その中で王妃に冷たくしたりイジメっぽい行為をする奴は一目惚れを疑った方がいいんですかね~」
「そうだな。姫にそうする理由が無い」
「そうですよね~。我が国、念願の王妃で陛下の寵愛は眩しいほど。ご本人も非の打ち所が無いですしね~。なるほどなぁ」
「……まさか、気になる者がいるのか?」
「うーん。まあ、俺は近衛隊隊長ですから。新しい情報を貰って警戒すべきだと思っただけですよ~。それにしても陛下は初恋であっても一目惚れじゃなくて良かったですね~。宰相のムスコは、このパターンなんでしょ?」
「もし、一目惚れだったとしてもだ。もともと私は女性を傷つけたり泣かせる趣味はない。それが姫なら尚の事だ」
「まあ、そうですね。陛下は外見の怖さとは違って優しいですからね。だからこそ一目惚れしなかったのかもしれないですけど。うーん、王妃の妖精の様な容姿だけに一目で恋をするような男は加虐趣味があるって事ですかね~」
「どうだろうな。私には理解出来ないから原理が分らん。ただ、姫の話を聞くと宰相の令息の様なパターンは分かりやすいが、あの美少年や王太子の様な者は難しいな。しかも、姫は同性の被害にもあったしな」
「うーん、そうですね~。でもそれは、一緒に来た王妃付きのメイドや騎士達は心得ているでしょう。彼らと協力したら分かるでしょうし、近衛隊長の名に懸けて王妃をお守りしますよ」
「そうか。有り難い」
幼馴染と雑談という名の相談をして、私は次の政務に戻りいつも通りの一日を送った。
全てを終え寝室に戻ると、姫が勉強をしていた。
「姫。まだ勉強をしているのか?」
「申し訳ありません。今日は時間が掛かってしまって。明日までに、まとめなくてはいけないのですが」
「……この量をか?」
「ええ。陛下はこれくらい平気でこなしたと」
「そんな訳がないだろう。これは宮廷学者が数人でも一日以上はかかるだろう」
「ですが、これくらいはこなすのが王に相応しい王妃だと」
「そう言われたのか? 誰に?」
「私の教育係の前国務大臣ですが?」
「…………そうか。彼も高齢で記憶違いをしているのだろう。私が言っておく。姫、もう寝よう」
「でも、良いのでしょうか?」
「ああ。王である私が許可する。さあ、姫。おいで」
姫をベットに連れて行く。
前国務大臣。彼は父王に使え、今は引退してるが知識は申し分ないし経験も宰相以上にある方だが……。
彼は父王と同い年だったはずだ。私が生まれた頃には引退していて今は息子が後を継いでいる。
彼は確かに引退後は私の教育係も務めていた。だが、こんな理不尽な量の課題を出す人では無かった。
まさか……。
彼は愛妻家だったが15年ほど前に奥方は亡くなった。
その時点で60歳を過ぎていた彼に浮いた話など聞いた事は無いが……。
「陛下? 何かお悩みですか?」
姫が心配そうに私に聞く。
いつもなら、すぐに愛し合うのに考え込んでしまったせいだな。
「今日、近衛隊長と話していた問題があったのだ。それを、明日また確認すべきだと思ってな」
「そうなのですか。大丈夫ですか?」
「ああ。速やかに解決出来るだろう。それより、姫……」
私は姫を抱き寄せ口付けた。
そして、いつものようにした。
「あっ……。陛下……」
姫はすぐに甘い声を出す。
結婚式が終わり、ほぼ毎日姫と愛し合っているが。
愛し合うたびに姫は反応が良くなり色々な顔を私に見せてくれる。
だが。
「姫……。疲れていないか?」
先程の本と書類の量を思い出す。
流石に今日はすぐに寝かせてあげた方が良いのかもしれない。
自然に動いてしまった手を止め聞いた。
「疲れてなどいません。だから……愛して……陛下……」
健気に姫はそう言うと、私に口付ける。結婚式前は口を閉じて受け入れるだけだった姫は私の唇を求める。
何度も何度も。
私が姫にするように、私の頬を両手で挟んで愛おしそうに口付ける。
「姫……」
口付けの合間に姫を呼び見つめる。
姫は手に力を入れ、やや強引に私に口付けた。
なかなか姫を愛し始めない私に焦れているようだった。
深い口付けを止め、姫が瞳を潤ませて言う。
「……愛して? 早く……。愛してくれないの?」
いつもは敬語の姫だが、こういう時は甘えたような口調になる。
「姫……」
この姫の誘惑に勝てる男などいようか?
先程の姫への心配は飛び、姫を愛する事だけが私の頭を占める。
姫を愛し始めると姫はもっと甘い声で言う。
「好き……大好きっ……陛下……んっ……。好き……っ」
いつもの様に甘く激しく夜は更けていくのだった。
朝、いつもの様に姫を愛した後、私は素早く動いた。
姫付きの筆頭騎士に聞く。
「姫の教育係についてだが、どう思う?」
「とても厳しい方だと思います。正直に報告致しますと、結婚式後は特に厳しくなられたように思います」
「そうか。私の教育係もしていたのだが、そんな方では無かった。昨日の課題の量も異常だ」
「……まさか」
「そのまさか。姫の苦難が始まったのではないかと思う」
「……申し訳ございません。後れを取ってしまいました」
「いや、仕方がない。本来の彼を知らなかっただろう? さらに姫は彼の孫より年下だ。身分もあり知識もあり王家の信頼も厚い彼を疑うのは難しかっただろう。それを踏まえどう思う?」
「……固定観念を捨てて改めて思い出しますと……。典型的ですね。今までの傾向ですと日を追うごとに厳しくなられるでしょう」
「そうだろうな。結婚式が終わって10日でこれでは……。彼には功績もあるし恩もある。私が直々に引導を渡すが年齢を理由にする。姫には極秘で終わらせる」
「では、今日の予定は変えるのですか?」
「そうだな。近衛隊長も姫の過去の被害を知っている。もう一度、協力をして確認をして貰いたい」
「かしこまりました」
姫の授業の時間に、私は前国務大臣に会った。
近衛隊長が持っていた姫の課題を奪い机に放る。ドサッと重い音が響く。
「私はこの量の課題を一日でこなした記憶は無いし到底無理だ。……老いとは悲しい物だな。確か、貴方の孫娘で子育ても落ち着いた才女がいたな。その方に教育係を引き継いでもらったらどうだ?」
「……しかし」
「本を見ると貴方に教えて貰った物語を思い出す。賢王が老いて孫より若い女に身を滅ぼす話だ。こんな話もあったな、寵妃の間男が王に殺される話も。王になる私への教訓だったのだろう? 先生、最後に聞きたい。この虚構の物語を真実にする愚か者はこの国に居るか?」
「……おりませんし必要ありませんな。……孫娘に教育係を引き継いでもらい、別邸で隠居するとしましょう」
「そうか。私が尊敬していた先生は賢明な判断をされる方だと信じていた」
「陛下。ありがとうございます」
「礼はいらない。貴方は自身の名誉と一族を守っただけだ」
「……恐れ入ります」
問題は速やかに解決出来た。
幸い、後任になった彼の孫娘は姫に一目惚れなどしなかった。
「まさか、あの方が王妃に一目惚れをしていたなんて~。まあ、俺の方でも王妃の騎士と協力して、それっぽい奴を数名移動させましたよ。理由は本人達以外には知られない様に極秘で速やかにしましたから~。王妃には直接被害が出る前に」
「……しばらくは大丈夫だろうか」
「そうですね~。一目惚れですから、大量に新規の者達が来ない限り大丈夫でしょう。王妃の騎士達も小さい頃から守って来ただけあって傾向と対策はバッチリです。同じ騎士なら遠慮なく言えますしね」
「姫に極秘で片付いて良かった。隊長や姫付きの騎士やメイドのおかげだ」
「いえいえ。それにしても、王妃の魅力っていうかドSを引き寄せる能力はスゴイですねー」
「……本人にはどうにも出来無いのが可哀想だ。姫は彼を教育係として尊敬していた。だからあの前日までは課題をこなし続けたのだろう」
「王妃でも無理なくらいの課題を出してくれたのはラッキーでしたね。ただでさえ最近の王妃はめちゃくちゃ美しくなっちゃいましたし……陛下の寵愛も。もう少し遅くなったら、あの方も一族もどうなっていたか」
「姫は心も姿も美し過ぎる。だから踏みつけたくなるのだろうか……」
「新雪を踏み散らかすみたいにですか? だけど、それ以上に美しく優しい王妃を多くの者が守りたいと思ってますよ」
「そうだな。隊長、いつもありがとう」
「どう致しまして」
やはり幼馴染の隊長の言葉は優しく心強い。
「姫。新しい教育係はどうだ?」
騎士達から大丈夫だと話を聞いていたが確かめずにはいられなかった。
「前国務大臣よりは同性ですし30代の方ですので親近感はあります。ですが、知識は豊富で女性としての視点から教えて頂けるので王妃教育に相応しい方かと」
姫は嬉しそうに言った。
前国務大臣の授業はミスが許されない緊張感があっただろう。今回はそこまでの緊張感はないだろうし、女性の視点や観点も大事だ。私とは違う視点を学んで貰えるのは私としても頼もしい。
「そうか。彼女は子を二人産んで育て上げた母親でもある。女性として学べる物も多いだろう」
「そうですわね」
一目惚れの件が無かったとしても教育係の交代は姫にとっては良かったか。前国務大臣の退職理由は高齢で記憶違いが日々酷くなっていると姫に説明した。
あの日までは課題をこなしていた姫だったが、私であっても誰であっても出来ない量だったと改めて説明すると納得してくれた。
姫は自分が思っているより能力が高く努力家で真面目で我慢強い。しかも、基本的に姫は無意識に人の良い所だけを見つけようとする。
宰相の令息には最終的にノイローゼにまで追い込まれた姫だ。本当に初期に気付いて良かった。
姫の苦難は取り除いた。
姫との新婚生活は憂いもなく、ただただ愛に溢れた甘く幸せな日々だった。
____ある朝
「……んっ。……姫、おはよう」
結婚式から一か月。
一目惚れの件も内々に解決し、姫と私は蜜月の様な毎日だ。
「……姫」
姫は一足早く起きていたらしい。
幸せそうに微笑んでいた姫を抱き寄せ口付ける。
「……ん……陛下っ。ダメです……陛下っ…これ以上はっ……」
珍しく姫が止める。
「姫。本当に駄目か?」
唇を離し私が姫に聞くと姫は黙ってしまった。
どうしたのだろう?
しばらく待ったが答えはない。
もう一度、私は姫に口付けた。
「……んっ……あっ……」
私の口付けに答えながら甘い吐息と声を出す姫。
「姫っ……駄目と言わないのか?」
念のために聞くが、姫の態度は受け入れてくれているように見える。
「次に駄目と言われたら止める」
だが、万が一があるだろうからそう言った。
姫が駄目だと言えるように唇以外の場所に口付けする。
「……姫。愛している。愛したい……姫を……」
私が姫の耳に口付けた、その時。
「……んっ…ヘ、陛下ぁ」
とても甘い姫の声が聞こえた。
もう駄目では無いだろう。
「姫っ……私の愛しい、可愛い姫……」
唇を首元に移動した。
細く白い姫の首。
「あっ。ヘ、陛下っ」
姫がイイと言ってくれたように愛する。
姫は甘い声で正解だと教えてくれる。
「姫……」
このまま、いつもの様に愛しても良いだろう。
そう思った、その時。
「……ダ……んっ」
……ダ?
「……姫?」
姫は駄目と言おうとしたのか?
もしかすると、体調が悪いのだろうか?
優しい姫は我慢していたのかもしれない。
不安な思いで姫の顔を見つめる。
姫は少し悩んでいたように見えたが、頬を染めて切なそうに言う。
「陛下……して?」
私を見つめる瞳は潤んでいて姫が強請っている様に見えた。
「姫、いいのか?」
「はい。たくさん愛して……」
駄目ではなかったのか?
今の姫は間違いなく私を求めている。
姫をいつもの様に愛する。
「はぁ……もっと……してっ……」
姫は私に強請る。
私は姫の要求に愛を持って応えた。
今朝はいつも以上に姫を愛せた様に思う。
そして姫も、いつもより激しく美しく乱れていた。
だが、その日の夜。
姫の様子がおかしい。
「姫? どうした?」
ベットで姫を抱きしめていたが、いつもの様に私に甘えてこない姫。
それどころが姫の顔には疲れが見えた。
「いえ。大丈夫ですわ、何もありません」
姫は「王妃としての笑み」をした。
姫は何かを隠している
姫の頬に手を当ててジッと見つめる。
「大丈夫ではないだろう? 姫、我慢をするな。何度言ったら分かってくれる? 姫が我慢をすると私も傷つくと」
姫を責めるつもりはない。ただ、守らせて欲しい。
だから姫、正直に話して欲しい。
「……陛下」
姫は涙声で私を呼ぶ。
もしかすると、今朝の私は間違えたのかもしれない。
姫は本当に駄目だと言いたかったのではないのか?
体調が悪いようには見えなかった。
ならば。
「姫。私のせいか? 朝、姫は駄目だと言おうとしたのだろう? すまない。姫を求め過ぎたか?」
「……そうでは無いのです。ごめんなさい、陛下。私自身の問題なのです」
「本当にそうか? ……姫。私の愛は姫の体には負担が大きいのではないか?」
「それはあり得ません」
「ならば朝の駄目はどういう意味なのだ?」
やはり姫と私では体格も体力も違う。
負担があるならば正直に言って欲しかった。
姫は恥ずかしそうに顔を真っ赤にする。
「……陛下。陛下に愛されて体に負担などありません。……その証拠に自分で言うのもアレですが。えっと、メイド達は……あの……陛下に愛されて姫様は……日々ツヤツヤとして美しくなったと……その……言われていますし……」
姫は言い難そうに言った。
「……確かに……」
姫が言うように、むしろ姫は日々艶々と美しくなっている。
夜の姫は疲れなど全く見せない程に私を受け入れ求めていた。
朝もそうだと感じていたが。
今日は疲れて見えるが、やつれてはいない。
「ならば姫は何が駄目なのだ?」
姫は覚悟を決めた様に語り始めた。
「……正直に言います。私……朝に愛されてしまうと……数時間……陛下の事ばかり考えてしまって……。しかも、日に日にその時間が長くなってしまうのです。ごめんなさい、陛下。ダメなのは私なのです」
涙目になりながら、姫は真剣に言うのだが……。
これは。
「……姫。それは愛の告白なのか?」
「えっ?」
姫は思いもよらなかったのか驚いている。
そんな姫がとても可愛らしく愛しくなった。
「ふっ、無自覚か。姫は本当に自分の駄目な所を見過ぎるな。私にとっては駄目では全く無いのに……」
私の事ばかり考える……。なんて愛しい悩みを抱えていたのか。
「告白は告白でも王妃らしく出来ないと言う告白ですわ」
どこまでも姫は必死だ。
だから、ハッキリと問う。
「私が愛し過ぎてか?」
「……」
「違うのか?」
「……」
「姫は私が愛し過ぎて、朝に愛されると私の事ばかり考えるのだろう?」
黙ってしまう姫に具体的にさらに問うた。
「……はい」
姫は諦めた様に答える。
「それが駄目なのか?」
「はい。だって、このままでは王妃らしく出来ません。陛下に相応しくない王妃になってしまいます」
姫は一生懸命に訴えている。
私の姫は王妃になっても変わらない。
……この蜜月の様な日々の中で、王妃に相応しくないと悩む姫がそうなる事は一生無いだろう
その可能性があるなら最初から悩みはしない。
何も考えず私の愛に溺れているはずだ。
だが、私に相応しい王妃になりたい。
姫はそう思って悩んだのか。
「そうか。そこまで愛してくれているのか……姫は」
つい、顔の筋肉がほころんでしまう。
溺れそうなほど私を愛し、それでも私の為に王妃に相応しくあろうと足掻く女性はいるだろうか?
いないな。私の姫だけだ。
「……陛下」
「私の朝の愛は姫の体の負担にはならないが、姫の心に負担をかけているのだな?」
「……そうなりますね」
「そうか。ならば夜に愛せばいいのだろう? 朝の分も」
「……」
「簡単な話だ」
もう、姫への愛しさが止まらない。
姫に口付けた。
「姫……」
「……陛下……」
「姫と同じくらい私も姫を愛している」
「……でも、陛下はいつも王らしくされています」
「5年前から私は姫を想うと頑張れたからな。姫は私の原動力だ」
「……本来なら私も…そうであるべきなのに」
「あまり愛しい事を言うな。今夜こそ姫の体に負担がかかるかもしれない」
「……陛下は私に甘過ぎです」
少し不満げに言う姫が可愛い。
「嫌か?」
「……いえ」
しかも、嫌ではないと言う。
「本当に姫は可愛いな。もっと甘やかしたい。心も体も私無しでは生きられないくらい」
姫を愛する男はたくさんいるだろう。
だが、こんなにも私を愛してくれるのは姫だけだ。
本当にそうなってくれたら……私の渇きは治まるのだろうか?
「……もう、そうなっていますわ」
……私の愛に溺れない事を選んだのに?
姫は本気で言ってくれているのだろう。
だが、全てを放棄して私に耽溺する姫が見たい。
分かっている。姫はそうはならない。
私もそうなれない様に。
そんな姫を誇らしく想いながら、同時に愚かしい程に盲愛して欲しい。
決して交わらない矛盾した想いを抱いてしまう。
……私の渇きは一生続くのだろう。
「やはり姫は、天使の様で悪魔の様だな」
「……陛下……」
「天使でも悪魔でも姫は愛しい妻だ。永遠に……」
姫に一目惚れをする男が何人現れても私が姫を一生守る。姫の夫は一生涯私だけだ。
「あっ……」
「どうして欲しい?」
「……たくさん……愛して……」
天使の様に清らかな姫は、悪魔の様に私を魅了する。
「仰せの通りに」
私は一度目は激しく、二度目は優しく、三度目は姫が私を愛した。
美しい天使は悪魔の様に私を翻弄する。
困ったものだ……だが、男として贅沢な悩みだろう。
これで姫の悩みは消えた。
解決だと思った私は甘かった。
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次で陛下の悩み完結です。




