転生チートアイテムボックスに何も入れないのですが、返品してもいいでしょうか
新年?私はね、今日はね、休みじゃないの。
それもクソ寒い雪の中を歩いて……まじ寒かった。
それはさておき、一発ネタですが続編のネタはあります。
面白かったら私のほかの作品もどうぞ~
それでは本編をどうぞ~
12月31日、多くの人にとって期待の新年を待つ楽しみの日、そしてコンビニ店員、警察、消防士、医者や運転手などの職につく者たちが心の底から惨めな気持ちになる残酷な日。
そんな日の、夜十一時五十分ぐらい、ここに一人の不幸な男が帰宅(宅とは呼べないが)の道を歩んでいる。男の名前は戸有音駒、勿論プライバシー保護のために偽名です。
彼は所謂フリーターというものだ、しかもそのドン底の方の。外国人が日本人の職を奪っている、そういう世論がある、でも彼の惨めさを見るとそれは違うと知る事でしょう。こういう職についてしまった彼は「日本人」の生き方が出来ていない。お風呂どころかシャワーにもありつけないという日本人あるまじき不潔さ、美味しいもの好きの日本人あるまじき食生活、外国人のバイト戦士としかまともな交流ができず、その職を奪っていると言われる者たちの文化(定義次第で文化と言えないかもしれない)に次第に染め上げられた彼はその血こそ日本人だが、果たして日本人と呼んでもいいものかは疑問だ。
留学してきた外国人は学生故に安い寮暮らと家から送られてくるお金、時には自分の国からの奨学金があってこそまともな生き方ができる。最低限でも安く住める所がないとこんな職についても日本人はまともに生きていけない、それが現実だ。正しく言うなら老後暮らせるお金を考えなければ、それなりの暮らしはできるが、それだとムショ暮らし老人という社会問題の元になるのでオススメしない。
そして戸有音駒は少しだけだが知恵がある。貯金をする知恵、老後を考える知恵、彼はそういうものを一応もっている。だからこそ彼はネカフェ難民やカプセルホテル住民になるためのお金すら渋ってテント難民をやっている。
疲れ切った体を引きずってボロテントに戻る音駒はすれ違っていく雪遊びをしている子供たちを黒い嫉妬に満ちている目で見送ってフラフラとした歩みを続く。
雪が積もりに積もったテントに倒れるように入ってすぐ、彼の意識が途切れた。
ーーーーーーーーここから音駒視点ーーーーーーーーー
「こ、ここhう、頭が」
目が覚めると無数の映像にかこまれている。そしてなぜか一気に様々な変な知識が無理やり頭の中に詰め込まれて風船のように爆裂するのではという痛みに襲われた。
「うあああああああああああああああああああああああ」
痛い痛い痛いいたいいたいいたいイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ……
……
「はぁはぁ、クソ、なんなんだよ!」
頭の中は今もグチャグチャな気がする。何故か詰め込まれたものはラノベというものだ。ラノベはバイト戦士と自称しているフリーター仲間から知ってはいる、だがお金がないから買えなかったし、時間がなかったから借りて見る気も起きなかった。それなのに今俺の頭中はまるで人生を全部ラノベに使ったかのように転生とか転移とかに埋め尽くされてやがる。
「どうなってんだよこれ!誰か教えてくれ!ここh「やっほー神様だよー」」
「は?」
「それでは!」パタン「メンゴメンゴ~」
「は?」
今、俺の目の前に突如として殆ど何も着ていない露出魔の美少女が現れた。それも神と自称したと思ったら「メンゴメンゴ」とふざけた喋り方をしながら土下座をかましやがった。意味がわからん、それなのに何故か俺はこれをラノベのテンプレートだと思っている。頭がこんがらがっちまいそうだ。
「嫌だな~露出魔の美少女だなんて、僕は男の子だし、露出魔でもないからね~
それで、許してくれる?」
はあ?何を言ってんだコイツ
「許してくれないと今の僕たちの様子をバラすからね~」
「な!やめろ!そんな事をしたら」今の俺たちの様子などバラされちまえば俺が變態として捕まっちまう
「じゃあ、許してくれる?」
「許すからやめろ!」
「やったーいやあ~許してくれてありがとう~お、と、こ、さん~」ウルウルしてちょっと赤面しているコイツがそう言いながら俺の顔に近づいてくる、かわいいなあ~もしもこんな子が俺の彼j……は!まて!俺は今なんてことを考えてやがった?
「いやあん~えっち~」でもこんな子なら性別なd「まあ、僕は神だから実は性別なんてないけれどね」
「え?」
「さて、貴方は残念ながらお亡くなりになりました。」
「は?」じゃあ、もしかしてさっきのは俺を殺しらお詫b「ああ、さっきのは冗談だよ。貴方は普通に死んだだけだから貴方の死は僕とは関係ないよ」
「え?」ならどうして俺が死んだのか?
「キャンペーン中さ~当地時間1月1日零時零分で死んだものからランダムで一人選んで転生させるキャンペーン。」
いや、だからどうして俺が死んだのか
「ああ、死因を知りたいのかい?」
「…あ、ああ」
「雪だよ雪。貴方のテントが雪に潰されてフレームが目から脳味噌まで一突き、それで即死」
「は?」
「もうう、貴方は「え」とか「あ」とか「は」とかしか言えないの?」
「ああ、あ、いいえ」
「…まっいっか。
と・も・か・く、もうラノベの知識も上げたからそれらを参考にこのリストから一つ選んで。それで異世界転移するから。転移する世界は勿論中世ヨーロッパモドキの剣と魔法のファンタジーだからね」
「はあぁ」
「それと制限時間三分だから早く選んでね~」
「はあぁ…はあああ!?」
クソ!三分ってなんだよ!いや、今は急がなきゃだめだ!文句は後でもできる!
なになに?
「アイテムボックス」
容量無限、時間停止つき、生きているもの以外限定、空間に穴を開けるタイプ
「自動回復・絶」
一秒につきHP回復50パーセントとMP回復100パーセント。でも死んだら利かなくなる。解除不能。
「鑑定」
対象の情報を世界から引き出して見る能力。生物無生物問わずに効く。
「全属性」
全属性に適性がつく。でも得られるのは適性だけで魔法を使うには学ぶ必要がある。
「武術の才能」
全ての武術に才能がつく。でも学ぶ必要がある。
………………
「天の「はい、あと三秒~」
「な!」
「に~」
「クソ!じゃあアイテムボックスにs「じゃ、いってきな~」」は?」何をいっt
ーーーーーーーーーーーーーーーー
目が覚めるとそこは森の中だった。あのクソ神、なんてところに!
だがまあ、ラノベ知識ではこれが普通だそうだ。それにそれらの知識によるとどうやらここでひと通り能力の確認をしたほうがいいみたいだ。
じゃあ、まずはアイテムボックスの確認だな。チートだって言ったんだし、ラノベの定番でハズレは無い筈だ。
「えっと、アイテムボックス!」
スキルを発動した俺の目の前には黒い穴がある。どうやら俺の自由で大きさを変えられるようだ。
アイテムボックスの穴を大きくしたり、小さくしたり、様々な方向に動かしたりした後、俺は物を入れれるか試すことにした。
まずは手を入れようとしたが、まるで硬い壁にぶつかったかのように弾かれてしまった。「はあ?おいおいこれじゃ入れたものを取り出せないんじゃねえのか?」
クソ、次だ!まずはそうだな、この枝だ!
パキ
「はああああ!?おいおいマジかよ!枝も生き物だってんのか?」
な、なら石は?どんっポト
「……」ポカン
……
「は?え?は?ええ?なにこれ?」
すると何処と無くヒラヒラ~と紙が混乱している俺の目の前に落ちた。
「は?」
『言い忘れたが微生物とか生きている細胞とか生きているDNAとかそういうのも全部生きているのだから入れないよ~』
「……はああああああああああああああああああああああああ!!!!!!?????」
生き物が入れないって実際のところ何も入れないも同様だと思います。勿論、自動仕分けとかがあれば別だが、それだと人に使えば簡単に装備解除(意味深)ができる。どこからどこまでとかをいっつも自動判別するのって人間すらも不可能でしょうから単純に全部弾かれる。そう思って書いた短編です。
何故ものが入れないかというと「壁にぶつかったかのように弾かれて」しまう微生物が物の表面にあるからそれによってものまで弾かれる。そしてアイテムボックスでものを殺したりしないようにとアイテムボックスの反射で微生物が死なないように謎の法則が働いたから。
その後大叫びした音駒はそれに引き寄せられた魔物から命からがら逃げ切った。
街で冒険者登録した彼は意外にも日本よりマシな生活を手に入れる。
続編のネタはあります。書くかは未定だがね。
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