神々の高度な言い争い
「うわ、なんだお前」
空を飛んでいると、ばったり嫌な奴に出会った。
雷神だ。
勿論俺のことを覚えている。だか、あえてこのように、挑発してきたのだろう。
なに、いつものことさ。
「覚えてるだろ、風神だ。てかお前こそ誰だ。なんか上半身、裸なんですけど。キモチワリイ」
「お前もだろ」
雷神はビリビラという音を出しながら言い返してきた。
因みに、こんな会話は、出会ったらいつもしている。まったくいけ好かない奴だ。
よく風神雷神屏風に仲良く描かれているのを見るだろうが、実は俺たちは死ぬほど仲が悪い。
「あ、思い出しまた。その臭そうなお姿は、はまさしく雷神ですね」
「失礼だな。お前の中でどんな認識なんだ俺は」
「お前の認識はなぁ、そうだな。恋人の命を選択したら、家族が死んでしまう。逆に家族を救うことを選択したら、恋人同士が死んでしまう。どちらか選べといわれ、勿論どちらも大切な存在だから簡単に決められない。悩んでいる時にふと視線を下に向ける。その瞬間に視界に入った道端の犬の糞に寄ってくるハエの糞という認識だ」
「俺、いちおう神様なのに酷すぎだろその認識。じゃあ何か?糞が飛んできて糞が話しかけてきたと思ってたのか?」
青い稲妻を体から放ちながら怒っている。相変わらず、こいつをからかうのは面白い。
「そういうことになるな。まぁ、そんな人間界の常識的な認識は置いといて、」
「待て、人間界の常識ってなんだよ。それマジか?」
本気で慌ててやがる。さっきまでの怒りは何処えやら。
「あぁ、マジだ。人間界では、キモい、臭い、汚い、なんかだるい、あの校長禿げてね、などを雷神という」
「俺は、禿げてねぇよ。てかなんでそんな噂が、」
「まぁ、冗談だがな」
「お前ー、ゆるさ、」
「そんなことよりだ。お前が変態すぎて困っている」
「はぁ、なんのことだ急に」
「お前がへそを取るってな、子供がビビってるわけだわ。へそを取る。へそを取るってなんだ?どうやって取るんだ?なんでヘソ?へそ欲しいか?ヘソ集めてんのか?自分のだけじゃダメか?そもそもヘソをなにに使うんだ?てか、ヘソってなんだ?そこんとこどういうお考えですか?教えてくれますか?」
「うるせえー!!一気に言うな。てか取らねえよ。迷信だ、迷信。そんなこと言ったら風神。お前こそあれだろ。女子学生のスカートが不自然にめくれ上がるときあるだろ。あれお前だろ」
酷い言い掛かりだ
「何言ってんだ?漫画の読みすぎな。」
「読んでないわ。お前こそヘソを取るとか、童話の読みすぎだろ」
「なんだ、 童話の読みすぎって。聞いたことないわ。そもそもな、お前の評価は世界的に低い」
「な、なにを根拠に言ってんだよ」
「勿論、統計にを根拠にだ。全国のベネズエラの北に住んでいた人に聞いた、雷神(雷)の印象は?、という統計に基づいてだ」
「全国の、の意味は?全国と言いながらめちゃくちゃ調査している人、局所的だぞ。しかも知ってるぞ。ベネズエラの北って雷が異常に多い地域だろ」
「チッ」
「今チッて言ったよな、言ったよな」
「あーあーうるさいなぁ。言ってねえーよ。チッ息死してくれねぇーかなお雷神、て言っただけだ」
「もっと酷いわ。言わせておけば…もう許さん。倒してやる。だいたいタイプ相性的に俺の方が強いんだ。ヒコウとデンキだから。ポケ○ン的にな」
雷を纏いながら突っ込んできやがった。
まぁ、いつもこうなるのだがな。
「かかってこい。某パズルゲームでの圧倒的スキル評価の差を見せてやる。ゲーム○ィズ的にな」
「確かこの雷神様が、18654739勝 ー18654738敗だったよなぁー」
「何言ってんだ、この風神様が18654739勝ー18654738敗だ」
そして、何度目かの不毛な争いが始まった。
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