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あしあと-9月8日(22ページ目)
起きた時から違和感はあった。
思ったとおり、自力で立てなくなっていた。
半分落ち込み、半分納得していた。
昨日から痺れとともに痛みも増していたのだ。
私は薬を飲むために食べ物を冷蔵庫にとりにいく。
いつの日だっただろうか、這いずって冷蔵庫まで行ったのは。
同じようなことをした。
私は冷蔵庫にある適当な食べ物を口に入れ、薬を飲んだ。
しばらくして、野杉が来てくれた。
「楓ちゃん、大丈夫なの?」
野杉は心配そうに言った。
きっと、大丈夫じゃないのは分かっているのだろうが、彼女の力ではなにも出来なくてそう言うしかないのだろう。
「どうだろう」
私は笑いながら言った。
「いるものがあったら言ってよ?私買いに行くから」
「ありがとうね、野杉」
近くに人がいるだけで安心だった。
「そろそろ私のこと下の名前で呼んでくれないかな」
野杉は冗談を言うように笑った。
呼んで欲しいのはわかっていた。
でも、やはり恥ずかしいのだった。
「考えとく」
私はそう言った。
夜になると、足どころか手まで痺れが来た。
これは酷くなるなと思い、仕方なく白衣の男に電話をかけた。
誰もいなかったので録音にメッセージを残して受話器を置いた。




