あしあと-8月24日(10ページ目)
私は外に行く用意をしていた。
野杉が服を買いに行こうと誘ってくれたので、それの準備をしていたのだ。
金はあの研究施設から大量にもらったので問題はなかった。
ただ、もう死ぬのにあんな大金はいらなかった。
死ぬ前にあの大金どうにかしないといけないな、と服を着替えながら思った。
その時、チャイムがなった。
野杉が来たようだ。
丁度着替えも終わり、準備が出来たところだったので私は玄関に急いだ。
「お、楓ちゃんおはよう!よく寝れた?」
私は頷くと、野杉は笑顔を見せた。
「じゃ、行こうか」
私は野杉と並んで歩いた。
並んでみると、野杉はなかなか身長が高かった。
服屋に着くと、野杉は私の手を引っ張っていろいろ見て回った。
これなんかどう?と、私に服を当てて悩んでいたりした。
私は分からないので首を傾げるばかりだった。
野杉が服を見ている間に一着の服が目に入った。
水色のワンピースだった。
私はそれを手に取り眺めた。
「あ、それ気に入ったの?」
いつの間にか傍に来ていた野杉はワンピースを見て行った。
私は首を傾げつつも、なにか気になっていた。
「試着してみなよ」
野杉は私を試着室までつれていき、ここで待ってるから着たら見せてね、と言うと、試着室のカーテンを閉めた。
私はワンピースを着てみた。
とても涼しかった。
カーテンを取ると、野杉がこっちを見ていた。
その目がどんどん見開かれていく。
「すごく似合ってるよ!ねぇ、これかぶってみて!」
野杉は近くにあった麦わら帽子を手渡してきた。
私はそれをかぶってみた。
野杉の顔が満面の笑みで満たされていく。
「いいね!すごく似合ってる!」
私はそう言われて、少し照れた。
ワンピースと麦わら帽子を買うと、店を出て家へ向かった。
「明日、また楓ちゃんの家まで迎えに行くから」
私は頷いた。
「後、電車乗るから少しだけお金かかるけど、大丈夫?」
もう一度頷いた。
私は胸が躍ると表現は今の気持ちを指すのだと思った。




