最終回 狼の裔
菰田郡桑曲までの道を、利重は慎重に進んだ。
随行人員は、深江藩と取り決めた規定通りの五十名。利重は万が一を考え、駕籠ではなく騎馬で進み、市助がその轡を取っている。
城下から遠ざかると、長閑な農村の風景が続いた。まだ平野部なので、襲撃の可能性は低いだろう。一行の周囲は、市助の手下たる柏原党が絶えず哨戒し、埋伏の有無を確認している。
「いやはや、お恥ずかしい限り。身内の恥をお見せしたかな」
隣の相賀が苦笑し、同じく鞍上の深江藩目付に声を掛けた。
「いえ。貴藩の御事情は承知しております。それに当藩とて同じ事で、未だ地下で潜伏する勤王派に手こずっております」
「なるほど。お互い、道中は気が立っているかもしれんな」
「本当に」
深江藩の目付は、山背久蔵という男だった。かの外記の祐筆で、ここ最近急に現れた男だという報告がある。何でも、庄屋としての手腕を買われて、士分を与えられたそうだ。
中肉中背。外見的には特徴のない、朴訥として冴えない男だ。しかし、目の奥には自分と同類の〔何か〕を覚えるのは確かで、それに外記が送り込んだのだから、それなりの才覚はあるのは間違いない。
途中、菰田郡代官所がある正円寺村に一泊した。宿舎は代官所があてがわれ、夜は主立った者だけで、ささやかな宴が催された。
菰田代官とも、酒を飲みながら少し話をした。代官は吉田自然という初老の男で、かつて菰田郡全域を領有していた国人の末裔である。いずれ布告されるが、今度の郡制改革で一番に解任される事になっていた。
自然は真面目で、篤実な男だった。どのような質問にも即座に答え、菰田の良い所も悪い所も即答している。
内住郡の平山清記、穂波郡の藤河雅楽、そして菰田郡の吉田自然。夜須藩には優秀な代官が多くいた。故に郡政には乱れなく、静謐を保っている。
(果たして、変える必要があるのか……)
しかし今更撤回しては、深江から向かっている唯一の友が煩いだろう。それに亡き牧文之進の努力も無駄になる。利重は考えるのを止め、盃を口に運んだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇
深江藩主・松永久臣は、真面目な男だった。
外記の傀儡と化している青瓢箪だと思っていたが、顔を合わせ、言葉を交わしてみると、それが誤りであるとすぐに判った。
久臣は、しきりに藩政改革の重要性を唱えていた。現状で満足し、何も手を加えないのは、腐敗と汚職の温床になると言っていた。そして、先に改革を断行した夜須藩を手本にしたいとも。
また、田沼意安が推進する重商政策や蝦夷地開発に関しても、賛成の意向を示した。これから濁流派に鞍替えしようとする男が、田沼の肝煎り政策に反対など言えるはずもないが、とうとうと語る姿は、これが阿諛追従ではなく本心であると感じさせる。
(この真面目さが、勤王思想へ奔らせたのか)
深江から勤王派を一掃したのは、利景の命を受けた清記だった。久臣の周囲にいた勤王家達も殺害され、久臣は大いに狼狽したが、それを宥めたのが外記だった。
そして、久臣の持つ生来の真面目さを、国政から藩政改革へと導いたという。外記の手腕たるや、見事なものだ。
その外記は、今回の会談に随行はしていなかった。突然の病だそうで、子飼いの中老を名代として派遣している。
会談は一刻程だった。曖昧な領土、浪人対策、物流。まず夜須深江両藩が抱える問題点を共有し、後日実務的な話に進む事になった。
「して、左近衛権少将殿」
会談も終盤に差し掛かった頃、久臣がおもむろに口を開いた。恐らく、田沼意安への口利きの件であろう。ここまで、その話題には触れなかった。利重はそうしていたし、久臣も敢えて避けていた気もする。
「何でござろうか」
利重は、気付かない振りをして訊き返した。久臣の表情が硬い。
(まだ、青いな……)
そして、これは深江藩に恩を売る好機でもある。
「あ、いや。江戸表の事でしたら御懸念なく」
と、利重は膝を叩き、気付いた風に言った。
「この利重が、必ずや田沼様との間を取り持ってあげましょうぞ」
「それは、かたじけない。何と御礼を申し上げるべきか」
「いやいや。隣藩のよしみ故、お気になさらずに。それに、弾正忠殿のような若く聡明な方を田沼様にご紹介出来て、私も鼻が高い」
◆◇◆◇◆◇◆◇
その日は、お互い桑曲陣屋で一泊し、翌朝早く久臣を見送った。
深江藩の一団の中に、八十太夫もいる。深江城下に戻るまでが役目なのだ。
昨夜、八十太夫から受けた報告によれば、深江藩に別段怪しい影は無いようだが、外記が同行していないのが気になると言っていた。
「雷蔵の襲撃に、深江藩が加勢に駆け付ける事も考えられます」
とも。
(杞憂ならいいが)
会談は和やかな雰囲気で終わったものの、これからが本当の勝負だと、真部が家臣を庭に集めて檄を飛ばしている。
(襲うなら帰りだろう)
雷蔵。果たして、襲ってくるのだろうか。
いや、必ず来る。その時は、正々堂々と立ち合うつもりでいる。そして雷蔵を討ち、全てに終止符を打つのだ。
出立の準備が出来たと、市助が陣屋の居室に現れて言った。
「もう馬を繋いでいます」
「ご苦労。さて、無事に帰れるかな」
「何を仰られますか、縁起でもねぇです」
市助は、冗談を本気にした様子だった。
「何があろうと、俺が殿を守り抜きます」
「ふふ。嬉しい事を言う。しかし、旗色が悪いと思ったら迷わず逃げろよ」
「しかし」
「それが忍びというものではないのか」
◆◇◆◇◆◇◆◇
突然、後方が騒がしくなった。
隘路のちょうど中央。左右には高い崖が屹立した、佐與坂という名がある、一本道だった。
「敵襲」
やっと、その声が聞こえた。
「来たか」
利重は、思わず嗤っていた。
やはり、来たか。そうだ。それでいい。獲物を前にして、指を咥えるようでは、平山清記という、あの狼の裔とは呼べない。
若い武士が、叫びながら駆けてきた。
「殿、平山雷蔵でございます」
「一人か?」
「いえ、三名。他に小男と女も」
「ほう」
佐與坂という、襲うに絶好の場所での襲撃。それに対し警戒もしてきたが、この急襲から察するに、それすら喰い破ったという事か。
利重は相賀を呼んだ。側には、目付の山背もいる。山背は突然の事態に恐怖したのか、顔面が蒼白になっていた。相賀は意外にも平静を保っている。
「相賀。数名を山背殿につけ離脱しろ。大事な客人だ、死なせるわけにはいかぬ」
「しかし、殿は?」
馬首を返そうとしたが、その轡を市助が掴んだ。
「殿はお逃げください。行っては駄目です」
「何を言うか。雷蔵は私に会いに来たのだぞ」
「だからです。あいつは人間じゃねぇ。あいつを殺せる奴なんていねぇんです」
「如何にも。殿はこの窮地を切り抜ける事を第一に」
相賀も市助に同調した。
「駄目だ。囲まれている」
そう言ったのは、先頭で指揮していたはずの真部だった。
真部の身体には、幾つか細かい傷かあり、抜き身が握りしめられている。
「この先は罠だらけでございます。おまけに隘路の出口には竹矢来も組まれ、先に進めませぬ」
「では、取り払えばよかろう」
「相賀殿。近付けば、待ち構えた山人に矢を射込まれます」
「では、我々は袋の鼠か」
相賀が、吐き捨てるように言った。
「真部、山人の数は?」
今度は利重が訊いた。
「二十はいるでしょう。ですが竹矢来から、討って出ようとはしませんので、正確な数までは」
「そうか」
どうやら山人は、何が何でも雷蔵に私を討たせたいらしい。そこまで山人は雷蔵に、いや清記に恩があるのだろうか。
「これで、我らが進む道は明白となったな。この先には二十余名の山人。しかし、後方はたった三人」
利重は、轡を掴んだ市助の手を、鞭で打った。
「活路は後方にある。雷蔵を討ち、取って返して夜須に帰還する」
利重は馬腹を強く蹴った。
◆◇◆◇◆◇◆◇
もう何人斬っただろうか。
雷蔵は、五人目から数えるのを止めていた。
扶桑正宗も黒装束も血に塗れている。
一人斬っては三歩進み、二人斬っては五歩進む。そうするうちに、後方には累々たる屍の山が出来ていた。
父の仇。一族の無念。胸にはそれしかない。そして、全てが闇の中だ。だが、それでいい。自分が選んだ道なのだ。
雷蔵は仕掛けてきた男の一撃を跳ね上げ、胴を抜いた。まだ若い男だった。多分、自分よりも年下だろう。元服したばかりだ。
雷蔵の左右では、貞助と薊が勇躍していた。貞助は小太刀を両手に持ち、薊は長脇差で敵を斃している。
雷蔵は、勝手にしろという気分だった。貞助は添田甲斐の仇がある。薊はそもそも無関係で一度止めたが、どうしても行くと言うので、好きにさせていた。
ここまで来て、やる事は一つ。後の事を心配する必要は無いし、どうなってもいい。利重を討ち、そして死ぬだけである。
「雷蔵殿」
声がした。振り向く。槍の穂先が突き出された。見た事のある顔。だが、振り上げた扶桑正宗を止める事は出来なかった。
螻蛄首を刎ね上げ、返す刀で袈裟を斬り下ろした。
「お見事」
その声。磯田だった。内住郡代官所筆頭与力。父の片腕で、自分にも仕事を教えてくれた。細かく厳しい性格であるが、それだけ真面目で優秀な男だった。
磯田は既にこと切れていた。頭を下げようとしたが、次の敵が左右から突っ込んできた。転がって躱す。そうしながら、足を薙いだ。立ち上がる。そこを背後から槍で狙われた。頬を掠める。腰を回転し、背後を払った。柄と一緒に、頭蓋を両断した。
敵。まだ多い。貞助も薊も、返り血を顔面から浴びていた。細かい傷も多い。
雷蔵は駆け出した。斬撃。朧で躱し、扶桑正宗を横凪ぎに一閃した。首が二つ飛んだ。血が吹き上がり、頭から浴びた。息が苦しい。どれだけ息をしても、楽にはならない。肩が上下し、人を斬る感覚が無くなっている。ただ斬光を躱して、手を動かす。その緩慢な動作だけがある。
全てを躱し、全てを斬った。扶桑正宗の切れ味は変わらない。むしろ、血を吸う毎に鋭くなる。父も祖父も、そして歴代の当主達も、この刀を佩いていた。そして、栄生家の為に働いた。人斬りとしてしか生きられぬ無念と諦めが、この刀にはある。
目の前が暗転した。死んだのか。いや、身体は動く。父。清記の顔が浮かんだ。剣を構える父。旅に出て、ただ眺めていた広い背中。血煙の中に、父がいた。母もいた。叫びながら駆けた。幾ら駆けても、その姿は大きくならない。いつまでも遠いのだ。それでも駆けた。やっと光が見えた。そこには敵がいた。
敵に襟首を掴まれて地に転がっていた。縺れ合う。そして、巨漢の男に馬乗りされていた。手が顔に伸びた。口に鼻に、指が伸びる。猛烈な力だった。その力が不意に消えた。貞助が背後からその首を掻き切ったのだ。
「さぁ、雷蔵さん」
貞助に引き起こされた。
「すまん」
「いいって事ですよ。それより……」
と、その視線の先。利重が栗毛の鞍上にあった。こちらを向いて嗤っている。
あれが、父の仇。簒奪者の貌だ。
「あと一息だ」
右手と扶桑正宗を下げ緒で結び付けると、雷蔵は大きく息を吐いた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「利重」
雷蔵の咆哮が聞こえた。
「来るぞ。殿をお守りしろ」
真部の声で、二十数名の家臣が一斉に抜刀した。そして、陣形を組む。中心は自分だ。
雷蔵が、血刀を手に突進してきた。まるで、口の周りを獲物の血で穢した狼のようだ。
雷蔵の顔が、はっきりと見えた。初めて会った時と随分と違う。その雷蔵が跳んだ。
「おお」
利重は、思わず声を挙げていた。
雷蔵は敵中に飛び込み、着地と同時に真部が頭蓋から腹部まで左右に裂け斃れたのだ。
そこに小姓達が殺到する。斬撃が、不思議と雷蔵に届かない。むしろ刀の方から、雷蔵は避けているように思える。そこで、雷蔵が一閃するのだ。その度に、首や腕、そして血が舞う。
狂気の剣だ。怒りが、憎しみがそうさせたのか。鞍上の利重は、自らの肌が粟立ち膝が震えている事に気付いた。
「殿」
それに気付いたのか、市助が声を掛けた。
「あれは、平山清記だ」
「え?」
「雷蔵であって、雷蔵でない。あれは清記だよ」
まさしく、平山清記。あの時、自分を殺そうと迫った、平山清記の姿と重なった。
困惑する市助を横目に、利重は鼻を鳴らした。
(そろそろ来る)
五十名いた家臣も、既に十を切ろうとしている。そして今、雷蔵の突きを受け、家臣は八名になった。
銃声。それは突然だった。雷蔵が左目を抑えて後方に跳び退いた。顔を上げる。左半分から、血が噴き出していた。
何が起きたのか。銃声がした方を見ると、八十太夫が回転式短筒を構えて立っていた。
何故、お前が? その疑問を、二発目の銃声が消し飛ばした。
雷蔵が転がって躱す。立ち上がりに三発目。撃たれたのは雷蔵ではなく、共に戦っていた女だった。背中から胸を撃ち抜かれ、崩れゆく身体を雷蔵は受け止めた。
「すまん」
口がそう言ったように見えた。
「平山」
八十太夫が叫ぶ。短筒を投げ捨てると、刀を抜き斬り掛かった。その貌。雷蔵と同じ、憎悪に満ちていた。
「よせ」
しかし、遅かった。刀が右腕と共に舞い、胴を抜かれ、最後に首が落ちた。
「八十太夫」
腹の底からの声だった。馬腹を蹴る。雷蔵。殺す。そう思った。しかし、そこに雷蔵の姿は無かった。
「死ね」
声。頭上からだった。見上げる。雷蔵。左目が潰れていた。何だその貌は。私は思わず嗤った。そして、刃の光が眩しかった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
傍らに、利重の骸があった。
頭蓋から尻まで、二つに断ち切られている。
終わった。何もかもが、今終わった。
僅かに残った数名の家臣達も、呆然と立ち尽くしている。
その時、けたたましい足音が聞こえてきた。
栄生家の旗印を掲げている。
藩庁からの増援だ。その数は判らないが、十や二十のような人数ではない。
「こりゃ、なんとまぁ」
貞助が、返り血で真っ赤にした鼠顔に、苦笑いを浮かべた。
「百はいますぜ。あれだけ殺したのに、夜須藩士は畑で穫れるんですかねぇ」
「逃げろ」
雷蔵は貞助に言った。
「へ?」
「逃げろと言っている。二人で逃げれば、追っ手も分散しよう」
「では、雷蔵さんは?」
「ある程度、引き付けて逃げるさ」
「御冗談を」
「逃げてくれ」
「……」
「頼む」
目が合う。貞助は、真剣な眼差しだった。何か言おうとしたが、結局口を噤んで黙礼した。
「必ず、逃げてくださいよ」
「ああ」
貞助が駆け去るのと代わるように、新たな増援が到着した。
「おのれ」
誰かが絶叫し、抜刀した。利重の骸を認めたのだろう。全員が、それに続いた。
「斬れ」
指図役に命じられ、一斉に駆け出した。
雷蔵は、扶桑正宗を構えもしなかった。これで終わりと決めたのだ。
どうせ生き残っても、やる事はない。やれる事もだ。人を殺す事しか出来ない。ならば、此処で死んだ方が世の為だ。
目を閉じた。浮かんだのは、厳しくも優しい、父の顔だった。続いて、佐々木三郎。武富陣内。栄生利景。栄生帯刀。添田甲斐。今井小忠太。堂島丑之助。磯田文六。眞鶴。薊。
そして、顔さえ知らぬ母の面影。
生きよう。
括目した。そして駆け出す。敵の波。雷蔵は地面を強く蹴ると、力の限り跳躍した。
<完>
「狼の裔~念真流血風譚~」を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。
2014年7月24日に「峠雨」の連載を開始して、三年。やっと、この日を迎える事が出来ました。
今言える言葉は、ただただ感謝しかありません。
この三年。実に色んな事がありました。
まず、この作品がアルファポリス主催の第一回歴史時代小説大賞特別賞を受賞。そして、娘の誕生。出世。人生の激変期に、この作品と共に歩みました。
特別賞に関しては、小弥太篇のみでの受賞。全編を通せば大賞は間違いなかった自負が、僕にはあります。改めて、編集部さんには読んでいただきましょう。
この「狼の裔~念真流血風譚~」は、孤独なダークヒーロー(アンチヒーロー)創世物語でもあり、連載開始当初はそれを強く意識して書き始めました。
実は平山雷蔵というキャラクターは十年以上前に出来上がっており、そのお話をオフライン・オンライン両方で書いていました。しかし、何かピンとこない。そこで古今東西のダークヒーローを調べました。同じ時代小説で言うと、眠狂四郎・丹下作善・木枯し紋次郎・机竜之助。或いは、バッドマン。スポーン・ルナティック・デビルマンなど。彼らを読み解くと、ダークヒーローがダークになる所以をちゃんとあるんですよね。僕もその所以を書かなければ説得力が無いと思い、「狼の裔~念真流血風譚~」を書き始めました(それが受賞したものだから、サイドストーリーが本編と代表作になりましたけども)
しかし、途中で父親の清記に対する想いが強くなり、生み出したのが「天暗の星~念真流寂滅抄~(現在は「狼の贄」として改稿)」。思いもかけず、親子二代の話になったのは、僕自身驚きでした。
また、親子二代というと、妻の感想が忘れられません。
四年ほど前、
「父子を中心に進んでいくストーリーは、筑前筑後自身の父子関係を投影しているのでは?」
と言われたのです。
僕には母親がいません。男手一つで育てられました。その二人の関係は、妻が見ても驚くほど、互いが気を使い遠慮しあっている歪な関係だというのです。僕には自覚がありませんが、それを知っている上でこの作品を読むと、父子関係の理想と僕が感じている父への感情を強く感じるそうです。
確かに、この他にも僕の作品には父子関係が軸になる作品は多いです。「異・雨月」「名人三無」は特にそうだと思います。この事には自覚があるのですが、雷蔵と清記の関係からそれを読み解かれるとは思いもしませんでした。皆様の目にはどう映ったでしょうか。
なお、父親とは娘が生まれて、こうした関係は解消されたように感じます。もう孫娘を溺愛するもので(笑)雷蔵も子供がいれば、清記との関係も変わったかもしれませんね。
さて、「天暗の星~念真流寂滅抄~(現在は「狼の贄」として改稿」から「狼の裔~念真流血風譚~」を通して描いた物語。精一杯、持てる力を込めて書きました。
色んなギミック、伏線、掟破りの展開と色々試しました。WEB小説を好む層には受けなかったかもしれませんが、受賞という成績は残せたので、一定の満足感はあります。
これからも僕は、平山雷蔵というキャラクターと共に、時代小説を書いていきます。また、その時は読んでいただけると嬉しいです。
最後に、毎回修正箇所を教えて下さった結城藍人さん。様々なイラストで活力を与え続けてくれたアマリさん。そして、読んで頂いた多くの読者様。心からお礼を申し上げます。ありがとうございました!
<アマリさん作 平山雷蔵>
【読了者特典!】
あともう一話あります!
最後まで読んで下さいね!