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人間の神
「やっと来たわね……」
狸を殴ってしばらく進むとあの少女、最初にいた天使の少女がいた
「お前、現在地がわからねぇから地図意味ねぇじゃねぇかよ!」
「ああ……そうだったわね」
「とりあえず今は何処なんだよ」
地図を取り出すと少女は指を指した。指した場所は……
「目的地?」
そう、赤い丸で囲まれた人間の神がいる場所なのだ。
「じゃあここに人間の神が?」
「いるわよ」
「何処にいるんだ?」
「ここよ」
少女が指したのは自分の胸。
「え……」
思わず少女の顔を見て固まる
少女はクスりと笑って
「私が人間の神よ」
そう答えた。
「……でもお前天使なんじゃ」
少女は羽を触る
「こんな物創造すれば簡単よ」
「本当に人間の神なのか?」
少女は紙を差し出した。何処からどう読んでもそれは人間の誓約書だ。
俺はその紙にサインする。
それを確認して少女は言った。
「じゃあ、役所に行きましょうか」