モコモコの人型
もう少しで追いつかれる……そう思った時だった。
「やめんか野蛮人め!」
誰かに掴まれた。
「えっ……」
みるとそこにはモコモコの服を着た人。
「さあ、行こうか」
その人は俺を抱きかかえて凄いスピードでゴリラから逃げていった。
「ありがとうございます……」
「別にいいさ、いつもの事だ」
俺は助けてくれた人を見る
「……ん?」
人? ってことは
「貴方が人間の神ですか!」
「いや、雪男の神だよ」
「えー」
雪男の神とか居るのかよ! 来世雪男になる事も出来るのかよ!
いや、ならないけどさ。
雪男の神はニコニコと笑って
「君は来世も人間になりたいのかな?」
「はい……人間の神が何処にいるか知りませんか?」
「知らないなぁ……他の神とは中々反りが合わないからねぇ」
「そうなんですか?」
皆言語は通じるのにか?
「言葉は通じてもやはり違う種族、中々親密にはなれないのだよ」
寂しい物だ、と雪男の神は笑った。
「じゃあ気軽に話せる人は少ないんですか」
「そうだね、ここに来た来世を選ぶ者くらいだね」
「……ん?」
来世を選ぶ者だけ? 家族とか……家族はいなくとも
「同族はどうなんですか?」
「同族何ていないさ、神は一種族に一つで充分だ」
「はあ……」
その後、雪男特製スープをご馳走になって俺は人間の神探しを再開した。
因みにスープは凄い冷たかった。