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強引勧誘・ゴリラ
俺は走っていた。これで虫系の小さいのは無視出来る。
「よう……」
目の前にいきなり現れた大きな者に反応出来ず、思わずぶつかった。
「い……ったぁ」
尻餅をつきながらぶつかった者を見る。
「おう、同じ系統で力の強いゴリラはどうだ?」
「嫌です」
断って走り出そうとすると腕を掴まれた。
「まあまあ、そういうなよ」
「……嫌です」
「まあまあ、これにサインするだけだからよぉ」
ゴリラが取り出した紙は恐らく誓約書。
これにサインしてしまったらこいつはそれを無理やり提出するだろう。
そうなれば来世はゴリラだ……
「そんなの嫌だ!」
暴れるがゴリラの筋力には勝てない。
こんな事で来世が決まってたまるか!
しかしゴリラをどうやって倒すか。
普通なら武器を使うのだが……今の俺の手元には何も無い……
「何かあれよ! 武器とか!」
叫ぶといつの間にか手にバットが握られていた。咄嗟にそのバットでゴリラの目を突く。
「ぎゃっ……いってぇな!」
ゴリラの手は離れたがゴリラは追いかけてくる。早いなこのやろう!