表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

輪廻の終始点

 体を起こして座った俺に少女は言った。

「輪廻の終始点へようこそ、死んだ気分はどうかしら?」


 勿論気分は最悪だ。

 肉体もボロボロで死んだしな。一生は終わったけど俺はこの事を長く惜しむだろう。

 何かこう「人生楽しかった、ありがとう」みたいな最後の言葉を残して死にたかった。

 因みに最後の言葉は

「ぎゃぁぁぁぁ!」だった。


 だから俺は少女に答える

「そりゃあ死んだんだから気分は最悪だ」

 少女はクスリと笑った

「死んだのに気分も何も無いでしょ、何言ってるの貴方」

 何だこいつ、少女じゃ無かったら殴ってたぞ。というか……


「お前は誰だ、ここは何処だ」

 少女は笑った

「記憶喪失みたいなセリフね」

 それは言ってる途中で気づいた。何だか恥ずかしいので突っ込まないで欲しい。

 少女はひとしきり笑って「まあ答えてあげる」と切り出した。

「さっきも言った通りここは『輪廻の終始点』」

「まて、俺が聞きたいのは名称じゃない」

 少女は「今から説明するわよ」と、わざとらしく俺を睨む。


「輪廻転生、死んだ者はまた新しく生まれ変わる。そうね……円みたいな物を想像して」

 まあ、それはわからんでもない

「終わりも始まりも無いその円に無理やり定めた終わりと始まりの定義、それがここよ」

「ふむ……」

 わからん、俺が阿呆なのか少女が説明不足なのか……どう思うよ?

 俺は説明不足だと思う、断固抗議だ


「意味わからん、自分だけがわかるように話すな」

「まあ普通わからないわ、私も半分くらい意味わからないし」

「……おい」

 少女は溜息をついた。

「じゃあわかるように話してあげる」

「最初からそうしろよ!」

 時間の無駄だったよこんちくしょう!



「別に時間は幾らでもあるわよ」

「まあ、そうか」

 俺の一生は終わったのだからな

「まあ、ここを簡単に説明すると次に何に生まれるかを決める場所ね」

「…………」

「…………」

 説明終わり!?

「え、何? 来世って自分で選べるの?」

「まあそうね」

 少女はさも当然かの如く肯定した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ