表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ①

あの日見た光景を忘れることは出来ないだろう。


薬草を取りに行くため森に入った。

普段より動物を見かけない、ほんの少しの違和感があったものの私は森の奥へ進んだ。

その違和感の正体は一刻も経たないうちに姿を現した。


荒れた森の中、恐怖の象徴たる竜と相対する少年。

恐怖で足が竦み、近くの木に身を隠すことが精一杯だった。

逃げるべき。そう思って逃げ出そうとしても足が思う通りに動かない。

あの少年は殺される。その次は私だ。竜の鼻は私の臭いに気づいているだろう。

そんな時、少年がこちらを見てのんびりとした口調で話しかけてきた。

「そこの君、もう少し離れていなさい!じゃないと僕の魔法に巻き込まれてしまうよ!」

「あ、足が、う、動かないんです!」

「それは大変だね、なら防御魔法を掛けてあげるから安心して」

そう言うと少年は目にも止まらぬ速度で結印。

強い力を感じる、それでいて暖かく私を包み込んでくれる魔法が発動した。

竜は少年が魔法を発動した隙を見計らい、口から少年よりも大きな火球を吐き出した。


彼が火球に飲み込まれる瞬間、目を閉じてしまった。

だから分からなかった。火球に飲み込まれる瞬間、彼が何をしたのか。

目を開けた時、少年の顔が私を覗き込む。

少年の背後には頭がなくなり、無数の切り傷がある竜の姿あった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ