表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
続・虚弱体質巫女ですが 異世界を生き抜いてみせます ~何もないと諦めないでマイナスからゼロになるまで~  作者: 緖篠 みよ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/93

来客 3

ダートル様の反対にも心当たりはある。ダートル様は一番酷い状態の部屋を御存知なのだ。

その後は診察に立ち会う事も無く。本業の研究所とアカデミー教育科の臨時教師をしつつ、藍を文官見習いとして付ける段取りまで担っていたのだから、忙しくされて当然。


「大丈夫なのか? 君の部屋は凄いことになっていたけど?」

と、ダートル様は藍に問う。


「ダートル伯父様! アイの部屋は整えました。アイは平気だと言うのを、説得をして手をいれたのです」

と、メアリー様が答える。


「嫌、あれはどうなるものでも無いと思うが……」


「では、現状を見てもらってはいかが?」

と、カリーナ様が後押しする。この言葉にメアリー様は立ち上がり藍の手を取る。


「メアリー、そこまで過保護にすることは無いだろう」

と、ダートル様の言い分に、メアリー様は首を横に振る。繋いだ手を藍が頼りに立ち上がれば、


「今の内にメアリー様と仲良くしておきたいのです。ダートル様に付いた後は王宮に上がる予定ですから、メアリー様との時間は少なくなります」

と、藍はメアリー様と並びに移動した。


カリーナ様は席を外され、メアリー様に託された。案内にナギさんがガルソール様とバースト様に付き添い、藍の部屋へと向かう。


「ここが、普段アイが過ごしている部屋です。ガルソール様の参考になれば幸いです」

と、メアリー様はルカに目配せをして案内を買って出る。


「客室のようだね。アイの為に整えられた事が分かります。不躾ですが少し拝見しますね」

と、ガルソール様は部屋の中に入り角々にゆっくりと歩く。バースト様は興味が無いのか窓側に移り外を見ていた。


「ダートル伯父様、問題無かったでしょう」

と、得意気なメアリー様の言葉に、ダートル様も頷き返事にされた。


「あの子供はここの使用人かい?」

と、窓側に立っていたバースト様が、聞いてきた。

ルカが確認の為に窓側に近付き外を見て、藍の元に帰る。


「ターチが窓の下を彷徨いている」

と、ルカが教えてくれた。

藍も窓に近付き外を見れば、ターチちゃんは桶にお花を沢山入れたものを、両手で持ち歩いている。


……もしかして……前に私が話したことを……

「ルカ!」

と、藍がルカを呼ぶと、ルカはどうする? っという顔で側に来た。


「メアリー様、お花をこの部屋に飾りたいのですが、よろしいでしょうか?」


「花を飾る?」

と、ダートル様やガルソール様も首を傾げた。


「もしかして、お祖母様が仰っていたこと? 」

と、メアリー様は領土の別邸でメリアーナ様との話しに藍に送られた花束の事があったのだ。


藍はナギさんにターチちゃんを呼んでもらい、ルカには以前の物を用意してもらう。


ナギさんに連れられたターチちゃんが、藍の部屋にやって来た。


「おねぇーさん!」

と、ターチちゃんが駆け寄って来た。


「ターチちゃん、先ずはご挨拶しましょう。貴方はここの使用人ではないけれど、メアリー様はここのお嬢様でお客様がいらしている。それからでないと私とお話しできないわ」

と、藍はターチちゃんの肩を持ち自分の前に重ね立つ。


「私のお友達のターチです。私のお部屋での事ですのでお許し下さいね」

と、ターチちゃんを促す。


「こんにちは、ターチです。お邪魔します」

と、藍がしたようにお辞儀を拙くする。


「アイ? いつからターチと友達になったの?」

と、メアリー様は驚きながら聞いてくる。


「此方に着いた次の日からよ」

と、藍は笑顔でメアリー様に答えて、ターチちゃんと顔を見合わせる。


ルカとナギさんが、桶を各々に持ち部屋に入ってくる。メアリー様もダートル様も何か言いたそうにされたが、この部屋は藍の個人使用だ。


「ターチちゃんは、前に私が話したことを覚えていたのね」

と、藍の側から離れないターチちゃんが頷き、ナギさんが持って入ってきた桶に視線を向ける。


「アイ? 何をするんだい?」

と、バースト様が興味があるらしく近付き問う。


「お花を部屋に飾るのです。ご興味がございましたら、側でご覧になりますか?」

と、藍が答えるとバースト様だけてなくメアリー様とダートル様に離れて様子を見ていたガルソール様まで近付きご覧になる。


ルカにサイドテーブルに端切れの生地を拡げてもらい花瓶代わりのピッチャーに水を6割入れたものを中央に置いたら、桶に入っている花を見る。

目立つのはバラで、赤に白、ピンクに黄色。


「ターチちゃん、バラの刺を取れる?」

と、藍が聞けばターチちゃんは頷く。


藍は他のポピーやジギタリスの背の高い花の長さを決め、桶の中で茎を斜めに切っていく。ターチちゃんが刺を取ってくれたバラも長さを決めて切る。春の花も綺麗だったが、初夏の花も鮮やかだ。


サイドテーブルに置くならば、背の高い花を中心に回りはバラを配置し葉の大きな花を外側に生けていく。ポピーは長めに最後に差し入れ全体を見ればどの角度から見ても、同じ花の顔を見ることが出来る。

ピッチャーの下に拡げた生地は、薄い紫色でターチちゃんに畳んでくるむのを手伝ってもらい、ルカには組紐を出してもらった。黄緑の紐は二重に巻きずらして結ぶ。


余った切り花は、手のひらサイズに切り長い葉で巻きくるむ。小さいブーケが出来たが、それより短いお花はティーカップに水を入れ花だけを生けてソーサに置き机の上に置いた。

藍の部屋は花が飾られ、自然な甘さの香りが部屋に充満する。


「ターチちゃん、ありがとう綺麗なお花を用意してくれて、カロンさんにお礼を言っておいてね」

と、藍がターチちゃんに小さいブーケを手渡す。


「うん、おねぇーさんが元気になって良かった」

と、ナギさんがターチちゃんを送りに出る。


散った花や葉っぱ茎を手早く片付けて、桶ごとルカが持って出る。


「アイは、お祖母様にもお花を飾ってあげたのでしょう」

と、メアリー様が聞いてくる。


「外を見れば庭園があるので、不必要な事ですが、メリアーナ様は臥せっておられましたから、少しでも気が晴れるかとルッツさんには、無理を言いました」


「何故? アイはカロンがお花を用意したと思ったの?」

と、続けてメアリー様が聞いてくるので、


「毒のある花が処理されていから、カロンさんだろうと思ったんだけど?」


「「「えっ!?」」」


部屋にいた客人とダーニーズウッド家の者は固まった。

何があったか分からずに、ルカとナギさんが部屋に入ってくる。


「アイ! 今何と言ったの!」

と、メアリー様が詰め寄る声にルカが、反応して藍の側に来るが、


「待ってメアリー様! 毒はあるけれど処理されていると言ってるでしょう? 鑑賞花だけでなくて、野花や草に毒を持っているものはあるから、知識を持ってすれば問題ではないでしょう」

と、藍が答える。


「どの花がそうなんだ?」

と、ダートル様が聞いてくる。


「この背の高い花がそうですね。この花だけはターチちゃんが持って来た時には、葉が落とされていました。

カロンさんは庭師です。花を部屋に飾るとは思わずに庭園に色が綺麗だから植えていたのでしょう。ターチちゃんのお願いに葉を処理して持たせたと考えました。この花は口にしなければ死にませんから大丈夫なんです」

と、藍は答えた。


「それは、毒の花が庭園に有るということか?」

と、ガルソール様が聞いてくる。


「植物は、花や実に葉っぱや根に毒を持っているものは多いですよ。毒は薬にもなりますし、全部が悪いものではありません。

現に私はこの花の毒で助かりましたから」

と、藍が言っても誰一人納得していない。


「嫌、毒のある花は処分するように言うよう」

と、ダートル様はメアリー様に言う。


「それこそ、待ってください。花には罪はありませんよ。私みたいに触ったり匂いを嗅いだり、お貴族様はなさらないでしょう?

離れた場所から見て、庭園に植わっているだけなら、何も問題はありません。問題は知らずに触ることです

私は知っているものしか触りませんし、薬学を専攻されている方なら、毒より薬として見るでしょう」

と、藍は答える。


「本当に?」

と、、バースト様が確認してくるので、


「後で、ティベリ先生がいらっしゃいます。私を助けたこの花の毒の事をお聞きすれば、いいのでは?」

と、藍は答える。


……この花は苦くて口にしても吐き出すだけ。知らなくても花だけ見ていればいいのだし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ