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続・虚弱体質巫女ですが 異世界を生き抜いてみせます ~何もないと諦めないでマイナスからゼロになるまで~  作者: 緖篠 みよ


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相談 1

「リックはどう考える?」

と、シアン国王陛下は宰相殿下に問われた。


「シアン陛下のお考えは私も感じております」

と、宰相殿下も賛同された答を出す。


「ガルソールの心配はまだ起きてはおらぬ心配であるが、用意はしておくのは良い事だ。

私の考えを言うならば、後何年間のうちに側近も代替わりをするだろう。その時にリックとガルソールが判断をしてダニエルに付けるのか見極めれば良い。この間に軋轢があるのならガルソールが判断をして移動なり対策をすれば良いではないか? 側近達は私の希望と側近達の希望と国の判断で関係が成り立っておるのだから、関係が崩れるのであれば無理をする事は無いと私は思う」

と、シアン国王陛下は考えを正直に仰った。


「陛下、正直に仰り過ぎですよ」

と、侍従長が諌めるが、納得されたようだ。


「さて、ロビン報告は終わりで良いな。では相談を聞くとしょう」

と、シアン国王陛下は仰る。


「「えっ?」」

と、宰相殿下と侍従長が反応すれば、


「ロビンは報告と相談が有ると言っておっただろう」


「確かに……その様な事を、ではお茶を御用意します」

と、侍従長はシアン陛下から離れて他の侍従を動かす。シアン陛下に促されてソファーにダーニーズウッド辺境伯兄弟は腰を降ろした。


「リックはどうする? 暇ではないだろうが、ロビン達の相談は私の文官の話だが聞くか? 聞くのであれば少し砕けても文句は言うなよ」

と、シアン国王陛下は宰相殿下に問う。


「私が聞いても宜しいのですか?」


「構わぬ。私の文官を後から探られるよりは良いしな。私の側に置けばリックとも関わることに成るだろう」

と、シアン国王陛下は隣に座る様促す。


「ロビン、あれは元気に過ごしておるか? 馬車での移動では馬車酔いが酷かったが」


「そうですね。王都に着いた日はミカエルとルカの判断で伏せておりました。私の子供達は領土で見て来ておりますから、私の出迎えより大事だそうです」


「何と! 領主よりだと?」

と、宰相殿下が驚きに声が出る。


「まぁ、そうだろうな。あれの体調はルカとミカエルに任すしか無いな。まだ医者には掛かっておらぬのか? グローが紹介してくれた筈だが」


「はい。今のところは、館の中にしかおりませんから。出掛けたのも試験の時だけです。何時でも医師会館に走れるようにはしております」


「そうか頼んだ。して、相談は何だ? 文官資格を私の想像より早く取ってしまったが、まだこちらの用意が出来ておらぬから呼べぬ」

と、シアン国王陛下は侍従長を見る。手配はされているようだが、隣国の王子を迎える方を優先に部屋を整えているからだ。


「相談というのは、あの者の礼儀作法はどうされますか? 所作は問題は無いと思いますが、何分こちらの作法は誰も教えておらぬと聞きました」

と、ロビン様は遠慮がちに伝える。


「作法な。問題はあるようには見えなんだが、確かに私は教えておらぬし、カール達も何も言わなかったぞ」

と、シアン国王陛下は仰るが、


「でも、見たことの無い仕草をしますよ」

と、兄 ダートルが言ってくる。


「あぁ、私は知っているから違和感が無いのか。ロビン! 家の者で所作の練習を見てもらえるか」

と、シアン国王陛下はロビン様に指示をされる。


「陛下、陛下の文官に成るものが作法を指導しなければいけない者なのですか?」

と、侍従長が聞いてくる。


「いや、指導しなくても大丈夫だろうが、やり方が違うのであれば、文句を言う者もおるだろう」


「作法の違いですか?」

と、宰相殿下も聞いてくる。


「今、ダニエルは隣国の作法を習っておるのではないのか」

と、シアン国王陛下は話をダニエル王太子へと変えてきた。


「えっ?、はい。ジャスパード式の作法を体験して王子との交流の為に時間を取っておりますが?」

と、宰相殿下はお答えになった。


「それと同じことだ。礼儀作法は国によって違ったりするだろうからな。私の文官も作法は問題なくても解釈が違えは失礼に当たる」


「お待ちください! 陛下の文官は外国人ですか?」

と、侍従長は大きな声で聞いてきた。


「そうだが? 我が国の文官試験に合格した、そなたらも証明書を見たではないか」

と、シアン国王陛下は何食わぬ顔で答えている。


「………………」


「後は衣装はどうされますか? 陛下の文官ですが王宮文官と同じにされますか?」


「成る程なロビンが相談と言ってくる筈だな。さてどうするか…………王宮文官と一緒ではややこしいな。巫女衣装でいいだろう」

と、シアン国王陛下は仰る。


「巫女衣装って?」

と、兄 ダートルが聞いてきた。


「試験の時に着ていた衣装です」

と、ロビン様は答える。


「あれか、別邸では普通の衣装を着ていたじゃないか。その巫女衣装は目立ち過ぎないか」

と、兄 ダートルが言ってくる。


「確かに目立つな。アカデミーの時はフードを被っていたからな。

シアン陛下、巫女衣装ですと凄く目立ってしまいますが、王宮でもフードを被らせるのですか?」

と、ロビン様は確認のために再度お聞きする。


「衣装より目立つ物があれば良いかと、用意した物がある。ガルソール、細工師から出来上がった物を出してくれ」

と、シアン国王陛下は侍従長に指示された。

侍従長は細長い装飾が施された木箱をシアン国王陛下の前に静かに置いた。


「偶々、そなたらの父と母カールとメリアーナと話していた時に、王都に帰都する際にメリアーナが自分の指輪を差し出してきて加工して欲しいと頼まれたのだ。

どの様に加工するのか聞いてみたところ、指輪の台座から石を取り外してペンダントにでもして欲しいと言うので、用途を聞くと私の文官に身に付けるように言ってきた」

と、シアン国王陛下が説明されたが、ダーニーズウッド辺境伯兄弟は固まった。


……母上は何て言うこと為さるのだ。ダーニーズウッド家の秘宝。

代々ダーニーズウッド辺境伯領主に嫁いだ女性は、領地管理の元昔採掘されて今はダーニーズウッド家に保管されている物しかない宝石で指輪を作る。今その宝石で指輪をしているのは母上 メリアーナと妻のカリーナしかいない。

母上の石は私から見て曾祖母からの石を受け継いだ。私の祖母の石は今は亡き妻の指に嵌まったまま土の中にある。カリーナの指輪は新しい宝石で作ったものだ。

母上の石は、ミカエルの妻に成るものが受け継ぐ物だ。


「流石にそれは断ったぞ。私もダーニーズウッド家の指輪の話は知っておる。メリアーナの指輪はミカエルの妻に成るものが身に付けるものだからな」

と、シアン国王陛下は仰った。思わずダーニーズウッド辺境伯兄弟は同時に長いため息が出た。


国中を探しても、ダーニーズウッド領地から出た原石は小さい物なら何処か商会に有るかも知れないが、領地内の採掘は長年禁止され原石も見つかっていない。

この深い青い石は、ダーニーズウッド領地にしか無いのだ。

青い石は、領地以外でも採掘されるが淡く透明な石しかない。これ程濃い青色はどこにも無いのだ。


「だが、カールが原石を提供してくれてな」

と、シアン国王陛下は言い出す。先程思わず安堵したダーニーズウッド辺境伯兄弟は、2人揃ってまた緊張する事になった。


「加工してみないと分からない原石らしくてな。不純物が入っている可能性が高いから加工せずに保管されていた物だ。

宝石として加工されたダーニーズウッド家の石はとてもじゃないが、受けとる訳にはいかなくて、加工前の鑑定で不純物が混入の可能性が高い原石を譲って貰った」

と、シアン国王陛下が仰った。確かに不純物が入っていれば価値は下がるが、ダーニーズウッド家の青い石は欠片でも、争奪戦闘が起こりダーニーズウッド辺境伯領地が他国から狙われてきた謂れなんだが。

採掘が禁止され青い石が、保管されている所を探る為に侵入者が絶えない。


「王宮細工師に加工依頼をしてペンダントにして貰ったんだが、一緒に確認するか?」

と、シアン国王陛下は装飾が素晴らしい木箱に手をかける。


ゴックリ!

と、誰かの? 私の? 喉が鳴ったのか? 息を飲んだのか? 唾を飲んだのか? 音が静に鳴った。


開けられた木箱の中は、深い青い石に靄の様な青緑の筋が入っているペンダントだった。

中央でなく濃淡はあるが両側に濃紺に映える碧色が人が書けない繊細さで広がっている。


美しい、ペンダント。

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