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続・虚弱体質巫女ですが 異世界を生き抜いてみせます ~何もないと諦めないでマイナスからゼロになるまで~  作者: 緖篠 みよ


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説明 1

「これからの予定に変更は無いか?」

と、王宮の執務室でシアン国王陛下は、隣に立つ宰相リック殿下に問う。


「はい。予定通りにてお願い致します」

と、シアン国王陛下の侍従長 ガルソールが答えた。


「申し訳ございません。陛下、ダニエル王太子殿下に付き添い指南しておりまして、陛下のご予定を確認漏れがございました」

と、宰相職でダニエル王太子の実の祖父であるリック殿下はシアン陛下の側を離席することもある。


「いや、良い。ダニエルと側近だけでは心許ないないであろうし、リックが指南しおるのであれば問題はなかろう。


ジェスパード国 国王からは信書が正式に送られて来たのだ。セントール王子の目的であるダニエルとの友好交流は第一に調えなければ成らぬこと。他意があってもな」

と、シアン国王陛下は理解を示す。


「シアン国王陛下、王宮細工師の長から陛下の御依頼物が届いておりますが、お部屋にお持ち致しますか?」

と、侍従長が報告してきた。


「そうか、丁度良い。今有るなら受けとる。この私からの依頼は私財で細工師の長に支払うので手続きは頼んでも良いか」

と、侍従長に問う。


「陛下の私財で御座いますか? 何故でしょうか? 陛下の身に付けるものであれば、国費で賄います。それでなくとも陛下は国費でなく私財のお支払が多くございます」

と、宰相は苦言を言ってくる。


「国費で賄えば、好きなようには扱えぬではないか。老い先多く財を残したとて国費に戻す事になるであろう。

ならば、私財として好きに扱えるうちに好きなことに私財を使っても良いで有ろうが。

私は無茶な配当を強いているか?」

と、シアン陛下は問われた。


「失礼致しました。陛下の年配当予算はご自身で少なくされております。されど長年の繰越金は国家国費を上回っておりますゆえ」

と、宰相殿下は説明される。


「そうか、諸外国周りをしていた頃は資金が足らずで側近達に借りて迷惑を掛けたのにな、義兄上から譲位されてからは使うところが無かったからか。

ならば、問題無かろう。使い道が出来て私財で足らないからと国費を使い込む訳では無い」

と、シアン国王陛下は仰った。


「シアン国王陛下、近衛から時間通にダーニーズウッド辺境伯閣下が登城されたご様子です」

と、侍従長が報告してくる。


「ならば、談話室にて会う」

と、シアン国王陛下は告げると、


「謁見の間でなくてですか?」

と、宰相殿下が問うと、


「そんなに堅苦しくしたくは無いが、リックも来るか? 私への報告依頼だと思うが、謁見ではないから堅苦しく言わぬのなら付いて来るが良い」

と、シアン国王陛下は仰る。宰相殿下が頷き同意されたので、侍従長は他の侍従に目配せをして指示を出す。




「シアン国王陛下。ロビン·ダーニーズウッド辺境伯と、王宮研究所所長ダートル·ダーニーズウッド辺境伯が拝顔のお時間を賜りました。リック宰相殿下もお時間を賜ります」

と、ロビン様はダートル様と談話室にてご挨拶をする。


「そう堅苦しくするな、謁見ではない。ダートル久しいな、いつの間に研究所の長に成ったのだ?」


「今年度から研究所所長の任を承りました。リック宰相殿下に委任書を賜った次第です」

と、ダートル様は報告する。


「そうか、私が王都を留守にしている間はリックに一任しておるから、ダートルさぼらずに励めよ。

して、ロビン。私の預かり者の報告で良いか?」

と、シアン国王陛下は問われた。


「はい。ご報告とご相談がございます」

と、ロビン様が答えると、宰相殿下が問われた。


「ロビン·ダーニーズウッド辺境伯が陛下より依頼を受けて報告に参ったのは分かりますが、研究所の長であるダートル·ダーニーズウッド辺境伯は何故に登城になった?」


「はい。兄 ダートルにもシアン国王陛下の依頼の件でご相談の際に関係がございます。報告内容にも関わっておりますので、説明致します」

と、ロビン様は答えた。


ロビン様はシアン国王陛下の側に控えている侍従長にダートル様が書簡を手渡す。

侍従長が中を改めた物を陛下の前に置くと、脇から宰相殿下も覗き込む。


「ロビン、あの者は文官試験を受けて資格を取得したということか?」

と、シアン国王陛下は問うと、宰相殿下は怪訝な表情を作り書簡の中を目付けている。


「はい。王立アカデミー学院の教育科にて、ダーニーズウッド家の依頼の元、三人の教師立会いの場試験を受け証明書を受けとりましたので、シアン国王陛下に献上に参りました」

と、ロビン様は報告をした。


「ダーニーズウッド辺境伯! 待て。本年度の文官試験は終えている。ダーニーズウッド家の推薦枠で有ろうと王宮の文官職の管轄は宰相の私の任ではないか! 今さら試験に合格したとしても次年度採用となるし、成績や面接も無く採用となれば他の文官達に示しが付きません」

と、宰相リック殿下は言葉を強めに仰る。


「リックよ、そなたの言う通りだ。王宮の文官職は宰相であるリックの職務内の話だが、ロビンは王宮の文官職がそなたの任であることは、百も承知しておる。王宮文官職の資格証明書はそなたが管理保管しておるだろう」

と、シアン国王陛下は問う。


「勿論でございます。離職の際には雇用主から本人に証明書を返す事は、王宮のみならず民間でも倣っております」

と、宰相リック殿下は答えた。


「ならばロビンの行いは間違ってはおらぬではないか」

と、シアン国王陛下は仰る。


「えっ! はぁぃ?」

と、宰相殿下だけでなく、侍従長のガルソールまでも間の抜けた声が出た。


「ロビンは先日まで、王都王宮にて定例会義に出席参加していた筈だが、四方辺境伯の1人だとしても王立アカデミー学院では、建前上身分を重視しておらぬ。正規の手続きを踏まえた上で多少の融通はあるかもしれぬが、この数日で出来ると思うか?」


「それは……教育科は……特に融通の利かぬ所ではありますが……」

と、宰相殿下は歯切れ悪く答える。


「ロビンはダーニーズウッド辺境伯領主として動いておるが、端から手配や手続きは前領主のカールや次期領主予定のミカエルが、私の依頼の元動いておる。

それに王宮文官ではない。私の文官だ。ロビンが雇い主の私に資格証明者を持参した訳が分かったか?」


「…………はぁぃ?」


「私の個人雇用だ。私財から賂は支払うから問題は無かろう」

と、シアン国王陛下は仰った。


「シアン国王陛下」

と、侍従長 ガルソールが声を掛けた。

何だ? と、シアン陛下は視線を侍従長に向ける。


「私共シアン国王陛下の側近でございます。何故私共がその文官の者を知らぬのでございましょうか」

と、いつも表情を変えずにシアン陛下に仕えている侍従長が、声色を低くして問うて来た。


「ふむ。正直、私もこんなに早く資格取得してくるとは思わなくてな。優秀であることは分かっておったのだが、文官資格は簡単ではあるまい。何とか試験に受かった位ではロビンは私の所に資格証明書を持参したりせぬ。

ならば、文句の無い成績で合格したと思ったが、違うか?」

と、シアン国王陛下はロビン様に視線を戻す。

視線を向けられたロビン様は頷き返事に変えると、陛下の前にある資格証明書を取り出して広げて見せた。


「やはりな。これなら文句は無かろうて。はて? ダートルそなたの名前が何故有るのだ?」

と、シアン国王陛下は問うて来たが、宰相殿下と侍従長はそれどころではない様子だ。

シアン陛下が広げて見ている資格証明を目が剥く様に凝視している。


……宰相殿下とガルソール殿が目を剥くのも分かる。今年度の最高得点より上回っているからな。

と、ロビン様は驚愕の二人の表情を見ていたら、侍従長が兄 ダートルに視線を向けた。


「はい。教育科の先生方に頼まれまして、少しの間アカデミーで臨時教師をしております」

と、兄 ダートルは説明をした。


「それは可笑しいではないか。ダーニーズウッド家の推薦枠で試験を受けるのに立会い人が、ダーニーズウッド家の人間が入っておるのは」

と、宰相殿下は言ってくる。


「確かにな、何故そうなった? ダートルが立会い人になれば疑われても仕方有るまい」

と、シアン国王陛下も仰る。


「それを説明する為に私は登城致しましたので、先ずはお聞き下さい」

と、兄 ダートルは話し始めた。


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