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続・虚弱体質巫女ですが 異世界を生き抜いてみせます ~何もないと諦めないでマイナスからゼロになるまで~  作者: 緖篠 みよ


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書類

「ねぇ、ルカ。この歴史の教科書に王族の家系図があるのだけど、可笑しくない?」

と、藍はダニー様が貸してくれた教科書や資料に目を通していた。


食事はルカが運んでくれて一緒にと頼んだが、1人で味気なく終らせた。

お茶は一緒にしてくれるらしく、テーブルには2客分のカップが用意されている。


「そうですね。私も学びに在籍していた時にそう思いました。

シアン陛下も仰っておられましたが、内政が荒れていた時代の詳細は敢えて策小表示されているのでしょう。先生方に教えを乞うのは問題ではなかったですし、興味があれば調べることは出来ますよ」

と、ルカは教えてくれる。


「基本はこれで、深くは自己責任みたいな感じかしら?」


「そうだと思います。大抵の学生は過去に興味を示しません。流さえ理解すれば専門の知識に興味を移しますし」

と、ルカは答える。


「そうなんだね。個人の趣味で調べることは出来るのね」


「アイは歴史が好きなのか?」


「好きよ。今私が存在する過程が歴史だもの。時間をかけて成功も失敗も繰り返してた積み重ねが、今でしょう。

私は歴史こそ学ぶべき知識だと思うけど、これは価値観に躊躇無く出てくるわね」

と、藍は答えた。


「でも、今は復習をした方が良いだろうな」


「分かってるわよ。歴史は趣味でと思うし、私の知識的にこちらの学術的に適応するのか、確認しないとね」

と、藍はルカに言う。


藍の為に用意された部屋は、領土の客室として使用していた部屋の作りと似ている。続き部屋はルカが住むには狭いが、寝るだけだからとそのまま使用するらしい。

カーテンと天蓋のカーテンを新しく取り替えられたようだが、これも経費として計上されるのだろうか?


王宮に仕事を出来るようになれば、私はお祖父様の部屋の近くに移動する予定だが、何分予定は未定だ。

小さい時から予定どおりに物事が進んだことがほぼ無い。

初めこそ悲しかったり、悔しかったりしたが、思いどおりにならない身体に周りもわたし自身も期待せず成るように成ると、行動してきた。

今、計画してミカエル様を中心に動いてもらってはいるが、半分は変更を覚悟するべきだよね。


部屋の中を侍従として細々と動いてくれるルカを見ていたら、部屋にノック音がする。

つかさず、ルカが動くがこれで何回目だろうか?

別邸の使用人さん達は、大変親切だがお茶もお水もルカがしてくれる。手伝いはと聞かれてもルカに頼むので今の所は何も無いし、わたしはルクールさんとメグさんしか分からない。

後々、交流出来ると良いなぁとは思うが、今日は出来れば遠慮して欲しい。

ため息をつきながらルカが、ノック音に答えれば、人が部屋に入ってくる気配がした。


「すまん。アイは大丈夫だろうか?」

と、ミカエル様がルカに問うている。


「ミカエル様、どうされました?」

と、藍が覗き見すれば、ルクールさんとミカエル様が入り口で話していた。


「ルクールが使用人達に叱っていることろを見て理由を聞いたら、頻繁に藍の部屋に人が訪問していると聞いてな」

と、どうやら興味本位にわたしを見に来ていたらしい。


これからお世話になるダーニーズウッド家で騒ぎを起こしたくはないが、流石に多いなぁとは思っていたし、ルカがその度に隠していても機嫌が悪くなるし。


「アイ様、申し訳有りませんでした。私から使用人達には注意致しますのでお許し下さい」

と、執事のルクールさんが謝ってくれる。


「私は、何も有りませんよ。ルカが対応しているので」

と、藍は答えた。


……でも、ルカも馴染みの有る人もいる居るだろうし、やはりわたしが原因ならわたしが謝るべきでは?


「あの今からでも、使用人さん達にご挨拶しましょうか? ルカも知り合いの方もいるでしょうし、無下には出来ないでしょ?」

と、提案してみた。


「いえいえ、私の教育が至らなかったのです。お気遣いは不要です」

と、ルクールさんに断られた。


ルクールさんは部屋を出て仕事に戻って行ったが、ミカエル様は話があるようだ。


「予想はしていたが、領土の時はニックとノアだけだったからな、周知するまでに時間があった分ニックには対応出来たのだろう」

と、ミカエル様がわたしの初日の話をしている。


「それならルクールは、気の毒でしたね。結構な人が部屋で手伝ってくれてた時でしたから」

と、ルカが言っているが、


……何の話をしているの? メアリー様やダニー様とワチャワチャしてた事を言ってるの?

大人気ないことをしていたと思われてるの? ルカも参戦してたよね?

ルクールさんとメグさんに呆れられたような顔をされたし。


「そうだ、アイ。明日にでも書いてもらうつもりだったが、来たついでだ。

今日ケビンを、使いに出した書類なんだが、見てもらえるか」

と、ミカエル様が奥のテーブルに足を向ける。


「書類ですか? 私が記入すれば良いですか?」

と、一緒にソファーに座る。ルカがミカエル様の分のお茶を用意すれば、


「ルカ、見てみろ。ゾーイ先生が用意した書類だが」

と、広げて見せてくれる。


「何ですか? この内容は」

と、ルカが言っている。


……どれどれ、名前、爵位、年齢、出身地、親や親族の要職、資格取得歴、学歴、成績上位、成績下位、結婚歴、犯罪歴、趣味、etc……

履歴書の悪のりみたいなものかしら?


この前までエントリーシートや履歴書は丁寧に分かりやすく書く事に気を付けてきたわたしを舐めるなよ!

印象良くしてもらえるように手書きと、SMSとの両刀使いで頑張って就活してたんだからね。


……ダメだったけど。報われなくて悲しい思い出で泣きたくなってきた。


「これに、記入すれば良いですか?」

と、書類を受け取りペンを用意する。


「待ってアイ!」


「はぁいぃ?」


「ごめん、アイは分かるのか? 書類の内容?」

と、ミカエル様が聞いていた。


「はい、一様。難しい表現で書いてありますが、理解出来ます。この前まで就活してたので書き慣れてます」

と、藍が返事をする。


「アイは、こんなことを書かされて嫌じゃないのか?」

と、ミカエル様が聞いてくる。


「こんなこと? 普通だと思いますが」


「普通? 身辺調査紛いの失礼な書類が、アイには普通なのか?」

と、ミカエル様が失礼を強調して言ってくる。


……あぁ、失礼ね。確かに必要以上に探られている感はするけど、日本では普通だと思う。

写真が無い分ましだと思うのは、カルチャーショックでも有るけど。


「問題有りますか? わたしは知られて不味いことは1つしか有りませんが、この内容でしたら問題なく記入出来ますよ」

と、藍が言えばミカエル様とルカが唖然とした顔でわたしを見てくる。


「もしかして、意地悪をされているのでしょうか?」

と、藍が問うと、


「意地悪と言うか、ゾーイ先生は知識的には凄い人なんだが、性格がひねくれていてな。使いに出したケビンから情報を聞き出せなかった腹いせに嫌味な書類を作成したと僕は思っているんだ」

と、ミカエル様は答える。


「成る程、ケビン様が何も答えなかったら、あり得ます。ゾーイ先生ならそうしそうです」

と、ルカが同意する。


……ミカエル様とルカがいうゾーイ先生って。

イケズな先生? ネクラなインケンな先生?


「だったら、尚更ちゃんと記入して出さないといけませんね」

と、藍は答えた。


「いいのか? 抗議しても良いんだぞ」

と、ミカエル様が言ってくれるが、


「別に良いですよ。ミカエル様慣れない文字で不安なので予備の用紙は有りませんか?」


「あぁ、各々予備は有るが僕が父上の代筆をしたのが有るし、父上にちゃんと記入してもらった方が良さそうだ」

と、ミカエル様が言う。


「では、予備とを私に下さい。記入しておきますから。

ルカ、後で誤字が無いか見てくれる?」

と、藍がルカに聞く。


「私がアイの書類を見てもいいのか?」

と、ルカが聞いてくる。


「確認してくれないと、私はまだ慣れてないのよ。誤字がある方が文官として不適格とされてしまうわよ」

と、藍が笑いながらお願いする。


「分かった。アイが見せてくれるなら確認するよ」

と、ルカが答える。


ミカエル様は、ロビン様に渡す書類を抱えて部屋を出ていったが、何やら扉前で誰かと話している。

興味本位に覗きに来た人でもいたのかなぁ?

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