うたた寝ハリー 【大人1年生の初めての収穫祭】
ハリーは大人一年生。
大好き仲間と毎日ワイワイガヤガヤ。
君も仲間に入るかい?
みなさん こんばんは。
ここは、夢と現の狭間の世界…
誰もが、好きな自分になれる…
ちょっとだけワガママが許される場所…
『やぁ、ボクの名前はハリー、自己紹介がまだだったね。
ボクは 魚釣りと料理と仲間でワイワイ、ポンチュー飲むのが
大好きなクマだよ。
え?ポンチューを知らないのかい?
ポンチューは、ボクの住んでるヤポーンの飲み物だよ。
凄く美味しいんだけど あんまり飲みすぎちゃうと
寝込んじゃったり、怪獣になっちゃったりするから
大きくならないと飲めないんだ。
だから まだ小さいキミは 甘〜い果物のカジュで我慢してね。
実は 今日はヤポーンの収穫のお祭りなんだ。
ボクの村も 例に漏れずお祭り騒ぎさ。
初めてでビックリだろうけど キミも 楽しんでよ。』
ハリーは、やっと飲める様になったポンチュー売り場に行くと
大好きなお魚のフライと少し焦がれてカリッと焼けたベーコ
ン、スパイスのきいたポテトサラダを一緒に頼みました。
今日のお代は 各自で色々な食材や自慢の自家製ポンチューな
んかを持寄ることで食べ放題、飲み放題です。
勿論、子供たちはタダです。
ヤポーンの、村の宝は 子供たちだから!
『ハリー、おまたせ〜』
5月5日の『ヤポーンの日』に産まれたハリーは有名人。
今年から 大人と認められた大人1年生です。
『やっときた〜』
好物のオンパレードで ハリーは大喜び。
ムシャムシャお口に放り込みます。
ちょっとはなれたライトに照らされたステージには、象のホル
ンやおさるのシンバル、アライグマのマラカス…
小さいオーケストラが楽しそうに演奏中。
ハリーの大好きな『ちっちゃなアニキのマーチ』が流れ始める
と ハリーはテーブルを太鼓みたいに叩き始めました。
テーブルのポンチューと料理ののったお皿も一緒に踊ります。
夜空の星も 一緒に輝きます。
その頃、村の幼なじみも どんどんやって来ました。
挨拶は、手のひらを高くハイタッチ。
これだけで、言葉以上に気持ちがつたわるんです。
だって ずーっと一緒に居るんですから。
ホワイトタイガーのキッスが軽やかにハリーの目の前に座ると
同時に、ウッドペッカーのジーンがハリーの肩にのります。
ハリーの後ろから マウンテンゴリラのゲルがジーンのトサカ
を優しくちょっと撫でてポンチューが沢山入ったボトルをドン
とテーブル置いて
『今日は、飲むぞー』と掛け声をかけてると みんなの乾杯の合
図。
ハリー、キッス、ジーン、ゲルは 歳はバラバラだけど 釣りが
大好きで親しくなった仲間です。
いつも、釣りやたわいない事でワイワイガヤガヤ。
明日は、みんなで海に大好きな釣りに行く予定です。
最近、沢山のパンカチやヤズーなんかが 回遊してるらしく
4人は目を輝かせながら楽しそうに話しています。
話題が、明日の釣りの話になると 釣れたお魚で何が食べたい
か言い始めました。
勿論、みんなお刺身やカルパッチョは大好きですが、一人一人
好物は違います。
年長者のゲルは、野菜と甘く煮込んだ物、走り回る事の多いキ
ッスはサクサク揚がったフライのダルダルソースのせや
味の濃い骨付き唐揚げ、ジーンは内蔵をパテの様に上品にした
物をカリッとしたクルトンと一緒につまむのが大好きです。
勿論、料理は ハリーが心を込めて作ります。
夜も段々老けてきて 村のお祭りも絶好調。
ハリー達のおしゃべりも 夜空が静かに盗み聞き。
お月様は みんなをながめながら うつろうつろ…
明日は朝から晴れるといいね。
星になった友をいつまでも忘れないように
童話を作る事にしました。
涙の代わりに 笑顔を贈るよ。
君が寂しくないように。