第6話 異世界突入篇⑷「HBの鉛筆をベキッ!と へし折る事と同じようにッ できて当然と思うようにしました。」(改訂)
オークは持っている棍棒を振り回しながら、こちらに向かってくる。
こわい、、けどなぜか心は落ちつている。
大丈夫だ。
ステータスは、、俺の方が上なんだ。
それに俺にはあのカリスマキャラが使っていた憧れのあのスキルもある、、きっと大丈夫だ。
オークがあと数歩の位置まで迫ってきた。
その瞬間、
「今だ、時よ、止まれぇぇーーー、ザ・ワールドッ」
そう叫んだ瞬間、時の歯車がガッシリと『自分』とかみ合ったのを実感した。
オークが停止している。
オークどころか、オークが向かってきて舞った埃や、オークの進行方向にあった床に散らばっていたモノや窓ガラスの破片でさえ、宙に舞ったまま動きを停止していた。
9、8、7、
気づくと自分の顔の近くに数字が出現していて、どんどん減っている。
これ、時間停止の残り時間だ、と気づき、慌てて、オークの後ろ側に回り込む。
4、3、
オークが気付かないうちに、防御不可能の一撃を、生物の急所である
「オラーーー」
オークの頭に、手に持っていた鉄アレイを振り下ろす。
1、0
ボゴォッ、ブシャー
「オアアアアアアアアアアア」
ダンベルが思い切りオークの頭にめり込み、オークが悲痛な叫びをあげた。
その瞬間オークはぐったりと前のめりに、ドシンッという音とともに、倒れこんだ。
やった、やったのか、、
うつ伏せに倒れこんでいるオークは、頭から流れるドロッとした血が、真っ赤な池を作るかのように放射状に広がっていた。
辺りを見回すと動いてるモンスターはいない。
つまり、、
「勝ったんだぁ〜」
先程までの緊張から解き放され、一気に脱力してしまう。
恐ろしい怪物を自分一人で倒せた、というのが三吉の中に自信となって現れてくる。
「あのモンスターたちを、一人で倒したんだ」
一息ついて壊れた(窓がついていた)壁からおそるおそる外を眺めてみる。あちらこちらで煙が立ち上っていて、まわりにあった民家は壊されている家も何軒かあった。
モンスターは遠くに見えるが、幸いこちらには気づいていない。
そういえば、そんな「認識阻害」っていうスキルがあったっけ。
それでかな。
念のため、現在のステータスを確認してみると
三吉隆平
36歳
職業:反逆者(Lv3)
HP:908 / 1,362
MP:0
攻撃力:484
防御力:425
攻撃魔力:0
回復魔力:0
異能防御力:351
素早さ:89
かしこさ:23
きようさ:8
うんのよさ:0
成長速度:----
称号:神の理から外れし者
固有スキル:牛(Lv1)、可能性の捕食(Lv4)、早熟(Lv13)
職業スキル:反逆の芽(Lv----)
趣味:腕立て伏せ、パトロール、観察
入手スキル:神を殺すための肉体(Lv1)、神殺眼(Lv1)、反逆者の休息(Lv1)、時間停止(Lv2)、認識阻害(Lv1)、無音移動(Lv1)
常時発動型スキル:全耐性(Lv7)、豪傑の威圧(Lv1)
反逆者のレベルが上がっている。
というか、ステータスがアップしている!
攻撃力は倍になってるし、異能防御力?というのは5倍くらい上がっている。
と、ステータスを見ていると、「反逆者」や「異能防御力」というスキル以外も詳細が見れるようだった。
▼職業:反逆者(Lv3)
この融合した世界の「神」を騙し、神からもらった恩恵を放棄した、神への反逆の意思を持った者。
神のお告げ中に反逆者となった場合に「神の理から外れし者」の称号を得る。
神からの恩恵は一切なく、異世界のシステムなどの恩恵も受けない。
そのため「うんのよさ」は0、元が「地球人」で、神が与えた異世界のシステムの影響も受けないため、MPや魔力数値も0となる。
そのかわり、HP、攻撃力や防御力、異能防御力などが通常よりも上りやすい。
また、特殊なスキルを獲得する場合がある。
「反逆者」で「神の理から外れし者」の称号を持つ場合に限り、ユニークスキルを獲得できる確率が高まる。
現時点でこの条件を満たす者は、三吉隆平という元地球人だけである。
神を心の底から呪う度に強くなるが、恩恵を受けないため、経験値の獲得はできない。
▼称号:神の理から外れし者
成長系スキルの増加、獲得を獲れる能力。
スキル獲得の際、ユニークスキルに高確率で変質させ獲得できる。
▼反逆の芽(Lv----)
このスキルを持つ者は、神に関係するスキルを持つことができない。
その代わり、似た傾倒の持つスキルを自ら作り出し、獲得することができる。
▼可能性の捕食
スキルを獲得できる兆候が少しでも現れた場合に、そのスキルを捕食し、獲得することができるスキル。
若干変質した、ユニーク・スキルを覚える場合もあり。
常時発動型。
▼牛(Lv1)
地球の牛の力を発揮できるスキル。
▼異能防御力
魔力を伴った攻撃や、スキルによる物理的な攻撃を防ぐ力。
催眠や麻痺などの特殊な攻撃からの防御には影響しない。
どうやら俺は、運も無し、魔力も無し、そしておまけに経験値も獲得できないようだ。
つまり戦闘でのレベルアップは期待できない。
神を呪うほどとあるが、もう随分恨んでいるしな、、。
それにどうやら肉体派のユニークスキル持ちという事がわかったので、今後は身体を鍛えてステータスをアップさせないといけないという事だ。
俺は身支度(といっても血?がついた服を着替えるくらいしかないが)を済ませると、長年苦楽を共にした愛しのマイルームを後にした。
向かう先は、近くにある大型スーパー。
こういう時はまず食料、そして水。
「『無音移動』発動」
と声に出して、三吉はゆっくり移動しはじめていった。
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