第4話 異世界突入篇⑵「英雄帰還できませんでした。」
オークとゴブリンの争い、いや一方的な虐殺を見ていたらなぜか胸のあたりがざわざわしてきたので、そっと音を立てないように窓をしめて一息つくと、途端恐怖が心を支配しはじめた。
「あれは虐殺だ、、本当の異世界なんだここは、、」
そう口から出る声も小さくか細い。
それくらい先程の衝撃はでかかった。
あれに勝てるのか。
ステータスは俺の方が圧倒的に高い。
けれどもし俺が反逆者という職業じゃなければ、俺が何もない状態でこの融合されたいう、モンスターがいる世界に来ていたら、、。
『恐怖心が一定値を超えました。「全耐性」スキルをレベルアップします』
もちろん異世界融合した際に俺みたいになにかのスキルを獲得したやつもいるかもしれない。
けど、先ほど無残にも死体となって転がっていたのは、紛れもなく人間たちだった。
つまりステータスは弱いまま、、と最初にステータスオープンした時の俺のステータスを思い出し、また恐怖心が芽生え、、
『恐怖心が一定値を超えました。「全耐性」スキルをレベルアップします』
どうしたらいいんだ。
あれを倒すためにはあいつの目の前に現れなきゃいけない。
でももし集団で後ろから襲われたら、、。
『恐怖心が一定値を超えました。「全耐性」スキルをレベルアップします』
あいつらが攻撃をしない止まってくれていたら、、、
『恐怖心が一定値を超えました。「全耐性」スキルをレベルアップします』
『願望を確認、、、スキル「可能性の捕食」の効果により、スキル「時間停止(Lv1)」を獲得』
あいつらに認識されないように近づけてそれで攻撃しても気づかれないように、集団が現れたらすぐ立ち去れれば、
『願望を確認、、、、、、、、スキル「可能性の捕食」の効果により、スキル「認識阻害(Lv1)」「無音移動(Lv1)」「英雄帰還(Lv1)を獲得』
ステータスを信じるなら、ゴブリンだってオークだって倒せるんだ、、でもステータスって本当に信用してもいいのか、、
『神への冒涜を確認したので、職業「反逆者」のレベルがアップします。』
そう、英雄だって帰還するし、反逆者のレベルが、、ってあれ、なんかまたアナウンスが、、
『「英雄帰還(Lv1)」スキルを獲得した事で、職業スキル「反逆の芽」の効果が発動します、、、「英雄帰還(Lv1)」が「豪傑の威圧(Lv1)」に変化しました』
「って英雄帰還〜!!」
とついついツッコミしてしまう。
いつの間にか獲得したなんかかっこいい響きのスキルが変化してしまってる。
せめてスキルの詳細くらい確認したかった。
いつの間にか恐怖心も消えていた俺は改めてステータスを見ている。
攻撃力などは変化なかったが、新たにいくつかのスキルが追加されていた。
▼時間停止(Lv1)
スキルランク:UR
MP消費:無し
スキル「可能性の捕食」の効果により得たスキル。
発動した者以外の時間を10秒間停止させる。
発動後5秒間のインターバルをおかないと使用できない。
3回使用すると1時間発動できない。
これは睡眠や気絶などにより意識が無くなると回数はリセットされる。
▼認識阻害(Lv1)
スキルランク:SR
MP消費:無し
スキル「可能性の捕食」の効果により得たスキル。
自身の認識を察知されにくくするスキル。
自身が動かずにとまっていれば、半径20m以上先の生物には、姿を見られても認識されない。
右手で触れたモノにもその効果は有効。
但しこちらは動いても認識されず、また半径●mのような距離も関係ないが、その代わりに右手で触れてから5秒間のみ有効となり、一度触れて効果を発動したモノには二度と効かない。
▼無音移動(Lv1)
スキルランク:SR
MP消費:無し
スキル「可能性の捕食」効果により得たスキル。
発動後5秒間自身の移動中の音を消してくれる。
一度発動すると5秒間のインターバルが必要。
自身が触れているモノにも適応される。
▼豪傑の威圧(Lv1)
スキルランク:SR
MP消費:無し
スキル「可能性の捕食」の効果で得た「英雄帰還」スキルが、職業スキル「反逆の芽」の効果により変化したスキル。
自身が攻撃を行い、ダメージを1000以上与えた生物から、攻撃対象として外されるスキル。
但し24時間後にその効果は消える。
一度に複数の対象へ発動可能。
時間による制限はない。
常時発動型。
一気に4つもスキルを獲得している!
しかも時間停止ってなにこれ、チートの代名詞というか、悪のカリスマの代名詞じゃんか!
でもそれなりに強い能力にはデメリットもあるようだ。
だがそれでもかなり強いことには変わりない。
その中でも目を引いたスキルが「認識阻害」だった。
自身の存在を認識されにくくなるのも魅力だが、何よりその効果を触れたモノにも与えられる点だ。
つまりこれは遠距離からの攻撃を可能とした場合、撃たれた事も分からないという事。
遠距離を可能とする武器。
それさえ手に入れば無理して近くで戦わずとも認識されずに、反撃されずに攻撃し続ける事が可能になるかもしれない。
そして気になるのが、英雄帰還というかっこいい名前の謎スキルを失って手に入れた「豪傑の威圧」という怖そうな名前のスキル。
ダメージ1000以上というの事もは、そもそも、言い換えればHPが1000以上ある敵が出てくるという事だ。
そして1000以上ダメージ与えても『死なずに”攻撃されない”ようにして逃げるための』スキルがあるということは、そういう敵はHPは2000以上、いや3000以上は少なくみてもあると考えられないか。
考えると怖いが、逆に今後そういう強大な敵が出てきた場合にきっと役に立ってくれるということだ。
そうと決まればまず外のあいつらから逃げて、と思ったその時
ガシャーーーーン
俺の愛しのマイルームの窓からゴブリンが飛び込んできた。
ボロボロのそいつは俺をみると一瞬びっくりしたような顔をしたが、すぐに
ニヤッ
と笑うと大きく口を開けて突進してきた。
それは三吉隆平の初めてのモンスターとの戦闘だった。
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