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交響詩 魔女と魔王  作者: 藤村 次郎
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8話 フロンティアの街を堪能する

 この町は、フロンティア。

ミズホ王国の北西の端のトチノキ村から東へ歩いて5日のところにフロンティアの町がある。

山あり谷ありなので、1日30Kmを歩くとして、約150Kmほど離れている。

ミズホ王国の西の奥にはゴーダ大山脈ある。大山脈の向こうは、エルフや獣人族、その先には竜人族が住んでいると言われている。確かめに行った人はいない。


 フロンティアの町から東へ、およそ100KM先に行くとトキワの町がある。その先はるか南にミズホ王国の王都、”白金の都”がある。

トキワの町は、北側に半島がせり出した、大きな入り江に位置する。漁業が盛んで、海路の西の要所でもある。港には数隻の商船が停泊しているらしい。


 フロンティアの町の南側は広い穀倉地帯があって、その先は森が見える。さらにその先は3000M級の山脈が横たわっている。そこから流れ出す大きな川と支流によって肥沃な土地が形成されている。


 そして、町の南門から南へ4Kmほど先の小高い丘に神殿がある。

神殿と言っても、建物はない。20M四方で3人丈の高さの石舞台があって、南の入り口には左右に石の柱が立っている。右側の円柱には、“生あるものは魂を捧げよ”、左側は“生無きものは魂を望め”と刻まれている。その脇には”ひとつに悪しき心を持つものはここに跪き、良き心を持ち帰れ。”と書かれた看板があった。


 と、噴水広場にバニラとジジとダニスの4人で立っている。

ジジとダニスは兄妹で猫人種、入園式の時に知り合った。

サクヤは鬼種?、バニラは鳥人種種なのだ。

「腹減った!」

「ダニス、行儀悪いにゃ!」とジジ。

「あの、屋台で肉串を買ってきましょうか?」とバニラ。

続いて、ジジは飲み物を買いに走っていた。

噴水のベンチに座って、肉串を頬張りオレンジを飲んだ。


 噴水広場は、この町の中心にあって、8つの大通りが外に向いている。北の道の奥には高い壁があって、その上のほうに神殿が見える。噴水広場には食べ物の屋台がたくさん出ており、いい匂いが立ち込めている。

「どうして、北道の奥の壁は、あんなに高くて丈夫そうに見えるのかな? 」と俺が疑問を投げる。

「それはね。 神殿には異世界からのゲートがあって、そこから時に凶暴なものが出てくることがあるらしい。まあ、迎え撃つための壁と砦が、町を守っているとのこと。でも、ここ300年は何も出てないらしいけれど。」とダニスが答えた。


 うーん。脅威か! のほほんとした世界と思っていたが、そうではない部分を垣間見たようだ。

王都の図書館には、ゲートの位置や、過去に出現してきたものなどの情報があるらしい。

まあ、ここ300年は何も出現していないらしい。

ミズホ王国の白金の都は、ここから、さらに南へ300Kmほど先にあるとのこと。


 一行は、バニラの案内で、店を見て回る。

雑貨屋で、筆記用具や魔法の授業に必要なものを買いそろえた。

「どうだい! この杖は魔素の収集が素早くできるよ!」

「この腕輪には、魔素をたくさん貯めることができるよ! 」

「石亀の甲羅の盾は、どんな槍にも貫かれないよ!」

と、こう来ると、

「この槍は、どんな盾も貫くよ! 」

きたきた。”矛盾”謂れだよね。まあ商売の邪魔をするのは止めよう。


 アクセサリ屋にやってきた。ここでは、ジジとバニラの足が止まった。

ダニスと俺は、武器屋や防具屋を見て回った。

冒険者になるには、まだまだ時間が必要だね。


 「ちょっとだけ、冒険者ギルドを覗いてみないか? 」とダニス。

カラーンという音とともにドアを開けた。

「ひっー! 」とジジが悲鳴をあげた。

怖そうなおっさんたちが一瞬こちらを睨んだ、そして、なあんだガキンチョか!とつぶやいて、目をもとの位置に戻した。

「いらっしゃい。 依頼かな?? 」と受付のお姉さんが声をかけてきた。

えーっ。2年前は怖かったのだが、子供相手だと優しいんだ。

「えーっと ちょっと見学ですにゃ? 」とジジ。

「そうなの。魔法学園の子たちだね。登録は13歳から可能だよ。 依頼は、あちらのボードに貼ってあるよ。 その辺にたむろしている、おっさんやおねえさんたちは怖くないからね。 まあ、顔は怖いか?? 」

「「そりゃーねーぜ ははははっ 」」 四方から声が返ってきた。



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