38話 コロネちゃんと情報交換
「まあ、中に入ってください。」とハナが家に招いた。
居間で、ハナ、アイリス、サクヤ、ドラコ、シン王子とコロネの6人がテーブルに着いている。
「あたしね。 ものすごっく退屈してたの。 そうね、この星の暦でいうと5000年ぐらいかな。一人で、ある星にいたの。そこは知的生命体が居ないの。 っていうか、育てようとしたのだけど、できなかった。」
「で、コロネの生まれは、どこ? 古すぎて記憶にないか。」と俺。
彼女?彼 の言うには、この星に来て春が10回巡ってきたらしい。その間、ずーっと上から、この星の生命体や言葉、人々、村や町、文化、文明などを見て学習したそうだ。 そうしていたら、突然レベル7の子供が山の中に出現したのには驚いたと。 それからずーっとその子を見ていた。ついこの間やっと、この身体になれるだけエネルギ(魔素)が溜まったので、ここに来たとのこと。
女の子の姿が一番脅威に感じないと思ったので、この姿にしたとのこと。もちろん性別の区分はない。サクヤが男なので、女の子の方が好感を持ってくれるのではないかと。
会話には慣れていないので、たどたどしいが悪意は全く感じられない。
「ここで、やりたいことは何?」とハナ。
「あたしね。レベル3の生活がしてみたいの。 好きな人と結婚して子供産んで育ててみたいの。」
「それは良い考えね。応援するわ。 でもその身体じゃね?」
「あなたたちは、転移してきたみたいだけど、依り代はどうしたの?」
「パラレルワールド管理局にお願いしたの。」とハナ。
「そうか・・・。あたしたちの種族はレベル9で3つに別れたの。一つは進化を目指すあたしたち、2つ目は永い眠りについた者たち、そして時空と並行世界を調律しようとする者たち。そうなの・・・。進化を選んだあたしたちは、もう宇宙ではあたしだけでなってしまったの。」
「ねえ、ハナさん。パラレルワールド管理局に、あたしの依り代をお願いできない??。」
「いそぐ? 」
「急がないよ。 まだまだ、この身体で調べたいことがあるし、あなた方と仲良くしたい。 それより、あなた方やこの星について教えてくれないかな? 」
この星の生い立ちや、ハナやアイリス、そしてサクヤのことなどが語られた。
シン王子やドラコも紹介された。
魔女の家の居間は姦しい。
「で、サクヤの妻? 妃? 伴侶?は、・・・ハナ?、アイリス?、ドラコちゃん? なの??」
とんでもない質問が飛び出た。一瞬、居間の時間が止まった。
「もちろんサクヤは独身、独り者なだ。 妻の候補はいない!。残念ながら。」とシン王子がどや顔で言う。
「は・は・は・・。 私が勇者の従者で、妻の第一候補なのだ!」とドラコちゃんが少女たちの顔を見ながら、しれっと言う。
「はいはい ドラコちゃんには後でお仕置きが必要ね。」とハナ。
「えーー。おかあさん。それはないよーー。」とドラコがうなだれる。
まあ、たわいもないガールズトークに花が咲き、盛り上がった。
意外とレベル10のコロネちゃんは天然を持ち合わせているようだ。
「ところで、レベル10って、どういうこと?」とドラコ。
「そうね。あたしたちは、いろいろできることを追及して、特化してゆくの。そして共有するので。うーん。まあ、あなたがたの考える範疇ならば何でもできるよ。でもそれには対価が必ず必要なの。星が無いところに、星を出すなんてできないよ。 でも、星のもとの岩石とエネルギーがあればなんとかなるわね。 まあ1000年ぐらいかかるわね。 」
「神様になるって、どうなの?」とハナ。
「うーん。あたしは嫌い。 でも、なった人もいるよ。 でも、信心がエネルギーだから、信心がなくなれば、ただの知性体かな?。」
いずれにしても、レベル6からでは想像できないこともあると思う。
一方、パラレルワールド管理局もレベル10なんだよね。
時間と空間や精神面についても理解できないことが多い。
「ここで、しばらく手伝ってもらえるかな? 」と俺。
「もちろん。いいよ。 サクヤと一緒にいたいから。」
意味深なことを言って、にこっとする。




