31話 サクヤ王国への移住を募集
王国への移住を各地で募った。
「サクヤ王国への移住を希望する者は、各ギルドや村、町の長に連絡せよ。」
なんて、上から目線のタイトルで始まる。
「1、田畑は5年間タダで貸す、税金は5年間なし、住居は5年間タダで貸す。
2、多種族と仲良くできること。
3、5年間は国民として、年2割の奉仕に従事すること。
問い合わせは、各地の神殿にて行う。」
今代魔女代理 アイリス。
とサイン入り紙が各地の神殿に貼られた。
アイリスは、各神殿の右の石柱に通信機をセットした。
そして、魔女の家の前に、臨時問い合わせ受付ハウスが建てられ、受付嬢が並んだ。その数50名の魔女隊。
「はーい。何を心配しているのかな?」と、まず、画面に出てきた人に、魔女隊1が話しかける。
「麦畑として、どのくらいの広さを貸していただけるのですか?」
「一家に、50M*100Mが割り当てられます。自家消費分は2割ぐらいかな?。残りは売れます。」
スローン王国の一家あたり平均的な耕作地が1000M2であることから言えば、破格の広さである。もっとも一家で耕すにはちょっと大変かな?
「嫁は世話してくれるのかのー??」
「あちゃー。それは本人次第だね。 まあ働けば良いことあるかな?」
次!
「商売を始めたいのですが? 元手は貸してもらえますか?」
「いいよ! 1年は無利息で貸しますよ。 但し面接があります。」
「なかなかの大盛況ですわね。」
2日経っての報告を見ると、農家が232件、商人が12件、鍛冶屋が2件など、全部で325件980人になった。まあ、一次募集ならばこの程度で妥当というところ。
10日経って、一次募集の締め切りと面接で絞り込んで、総勢1565人になった。
この星の人口がおよそ500万人であることから、微々たるもので、各王国への影響もほぼないということで各王の了承をえた。
今回、獣人種のアソ王国、エルフのアズサ王国、竜族のドララ王国、ドワーフのアイアン王国への募集は積極的にはやっていない。この4つの種族には、希望があるならばということで案内している。
飛空艇を用意しての移送はしない。各地からは荷馬車で来てもらうことにした。もっとも遠いサハラ王国からは、エリー山脈があるため海沿いの道を進むため、およそ1000KM 馬車で100時間。 道も良くないので、10日から15日は必要だ。
それにしても、スローン王国へ道を付けなくっちゃ。
俺は、土魔法を駆使して、王城から東へ海際まで道を通して、さらに南へスローン王国の首都”青い風の都”へ繋げた。道幅は5M、土を強化固定して、総延長1200Km。
まあ、飛空艇に乗って、前方に魔法を行使するだけなんだけど、10日かかった。疲れた。
サクヤ王国は順調に村や町が出来て、俺も王城に住むようになった。
俺は王様。
ダニスとジジは、サクヤ王国警備隊の隊長と副隊長に任命した。
ドラコは、農業大臣として農家の指導をしている。
アイリスから、魔女の遊撃隊・北斗班の20名、アルタイル班20名、魔女の治安部隊ジュピター班の200名が派遣された。
特に、犯罪についての対処について、皆で議論した。
レベル3の現行の仕組みは、被害者と加害者が神殿の前で対峙し、双方の意見を聞いて、巫女が裁断する。
まあ、巫女は魔女の家から派遣しているので、魔女のさじ加減と言えなくはない。
俺15歳の夏。8月1日にサクヤ王国建国式が行われた。
神殿の前に、1565人の募集民と王城側の人員、各王国からの参列者を加えて、およそ3000人が集まった。
「おれがサクヤだ。 みなの力を合わせて、平和で豊かな国にしてゆこう。 オオー!」
サクヤー、オオーの声が、鳴り響いた。
「サクヤ王国の今後の発展を祝して、かんぱーい。!」ダニスの号令で、一斉に杯を掲げて飲み干した。
もちろん、子供には果汁だよ。
ワーワーと歓声がひとしきり落ち着くと、
「参謀のシンだ。 細かなことは、すでに入植時に聞いていると思うが、念のため右手に並んでいる青色の治安部隊からの説明を聞いてくれ。」
「第一次移住者は、第1区画に落ち着いてもらっているが、追々ゲートから、様々な人種がやってくる。仲良くしてやってくれ。」
まだまだ開発途上のため、物資も心も余裕がない今は、厳かな式典ではなく、簡素に最小限の祝いとなった。
まあ、その後、年々規模が大きくなった。




