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GAME ~ get a mortal emotion  作者: 遥風 悠
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level.2 初めてのダンジョン

【level.2 初めてのダンジョン】


 数度レベルアップを繰り返すことでアリアハン周辺のモンスターは手玉に取れるようになった。現在のレベルは5。北方レーベの村で装備品を整え、アイテムも購入。戦闘が随分を楽になりレベル1の時とは緊張感がまるで異なるようになっていた。詰まる所、何も考えることなく『たたかう』を連打するだけで無難に勝てるようになった。この安心感が好きという人も多いだろう。ラスボスに対しても圧倒的な戦力を持って挑めるようレベル上げに没頭するプレイヤーもいるはずだ。

 

 俺達もここいらでダンジョンに挑んでみるかという空気になり、アリアハンで入手した情報を元に『ナジミの塔』へ向かった。その目的は『盗賊の鍵』を手に入れること。HPを回復させる「薬草」、毒を癒す「毒消し草」、ダンジョンの奥部から一気に外へ出られる『キメラの翼』という、序盤の必須アイテムは用意した。遠出の準備はこんな所だろう。


 「盗賊の鍵はどこにあるんだろうな~。」

「・・・・・・」ずーっとこんな感じである。念の為に断っておくが、冬至、周、優夏は喋れないわけではない。言ってみれば俺、春樹と同じような存在で、同じセリフしか発せない城の兵士とは異なる。だのに、皆だんまりである。先頭を征く俺は息苦しくて仕方ない。ただでさえ初ダンジョンということで少なからず緊張しているのに。他の3人もそうだろうと、緊張を解してやろうと―

 尤も、最後尾、魔法使いの優夏は口を開く余裕がないのだろうが。戦闘ではスライム相手にミスをする。魔法での攻撃はお見事の一言に尽きるが、通常攻撃は結構な頻度で空振りをする。あたっても1とか2のダメージなのでほぼほぼ意味がない。優夏の行動を選択する際に「ぼうぎょ」、守備に専念させる場面もしばしばである。一方で2番目の冬至と3番目の周はどこか旅慣れしている雰囲気を醸し出していた。敵からの圧力ではなく見方の気配の為に正面切って話しかけにくい状況である(レベルは俺と同じだぞ、一応確認しておくが)。


 パーティー中については後々考えることにして、まずはこのダンジョン攻略を優先することにしよう。初っ端のダンジョンということでチュートリアル的な要素を多く含んだ塔かと思っていたがそうではなかった。初めてのダンジョンにしてはかなり広いもので袋小路も多い。何度行き止まりにぶつかったことか。おかげで10個近い宝箱にありつくことができたので思わぬ大金や現状以上の装備品を手にすることができた。その成果は「レーベの村」で見定めるとして、この「ナジミの塔」における最も大きな問題はやはり敵との戦闘だった。スライムやおおがらす程度ではこちらも動じない。反対に敵の方が驚き戸惑うくらい。

 まず厄介だったモンスターは『フロッガー』。二足歩行する巨大ガエルなのだが、コイツからダメージを受けると時折「毒」状態に陥ってしまう。こうなると移動中にみるみるHPが減っていく。自然回復はせず、回復呪文を覚えるまでは道具の「毒消し草」に頼るしかない。万が一「毒消し草」が切れてしまったら万事休す。「キメラの翼」を使ってダンジョンから脱出するか、毒に犯された奴を見捨てるしかない(教会で生き返してやるからな)。俺達も例外ではなく、周が1度、優夏が2度毒に犯されたが、いずれも「毒消し草」で事なきを得た。備えあれば憂いなしである。


 この世界の扉は全部で3種類だそうで(防犯上大問題だが)、『盗賊の鍵(違法度、低)』で開く扉、『魔法の鍵(違法度、中)』を使わないと開けられない扉。さらに牢獄の扉などは『最後の鍵(違法度、高。要するに全ての扉を開けられる)』で開錠できる。より高位の鍵を手に入れることで行動可能は範囲が広がり、物語が進んでいくというわけだ。今後、随所に『鍵』の情報やイベントが出てくることだろう。その第一歩として俺達は「盗賊の鍵」を手に入れ、『ロマリア城』を目指すのであった。

                             【level.2 初めてのダンジョン 終】

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