表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Pandora(改稿版)  作者: あすか@お休み中
第1章:すべてを与えられし少女
30/107

売国の種

 結希の祖父の葬儀が終わった次の日の事だった。

 そこは都心の一角にそびえたつ海外ブランドの高級ホテルの一室。シャンデリアの灯りが照らし出す中、中世欧風貴族の館に似合いそうなソファに腰かけているのは、60を過ぎていると思われる恰幅のいい男で、名を寺井豪と言った。

 男の視線の先には閉じられたドアがあり、その向こうにも中世の欧州をイメージさせる空間が続いていた。


「で、あなたが我々に協力してくれると?」


 寺井の言葉は閉じられたドアの向こうに立つ人物にだった。ドアの向こうは寺井のところからは見えないが、左右には寺井を警護する屈強な男たちが立ち、ドアから少し離れた位置に相手の男は立っているのだろう。


「ええ。

 私をこの国の王に任じてくれるのなら」


 閉じられたドアが重厚なためが、男の声はこもり気味で少し小さく聞こえた。


「確かにあなたのポジションなら、我々の目的達成に役立ってくれることでしょうが、どのようなプランをお持ちで?」

「まず、松下は邪魔じゃないですか?」

「彼は強硬派ではありますが、国民からの不人気は我々にとっては好都合ですがね」

「だからと言って、外国勢力と松下なら、国民は松下をとるでしょうね。

 外国勢力がアメリカと言うのなら、分からないかも知れませんが、それがあなたのお国では我が国の国民は誰も信じないでしょう」

「手厳しいですなぁ」

「で、その松下を排除すれば、当面副大統領の山橋が代行する訳ですが、この男はお飾りであって、何かをできる男じゃありませんよ。

 国家の弱体化が進みますよ」

「なるほど。

 しかし、一番我々の懸念事項でもあり、手に入れたい技術でもある鋼鬼の技術はどうなりますかな?」

「当然、お渡ししますよ」

「いいでしょう。

 あなたの計画に必要なリソースの提供に、全面的に協力させていただきましょう。

 これから、あなたはコードネーム”フーバー”を名乗ってください。

 そして、全ての約束が果たされ、我々の最終計画が実行に移され、この国を制圧した折には、倭国の王に任じさせていただきますよ」

「よろしくお願いします」


 それはフーバーと寺井が話し合った日から数日後だった。結希の攻撃で負傷し、生け捕りとなった鋼鬼を公開処刑する会場に姿を現した松下は、何者かの狙撃により暗殺され、山橋が大統領代行となった。山橋はフーバーが言ったとおり無能な男で、何ら行動を起こす事もなく、無為な時を過ごし、それを見かねた高山の計らいで、捕らえていた杉本の更迭を解き、首都の警護を再び任じた。

 そして、何の行動も取らない政府側の隙をついて、山本は超人を開発し終えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ