本音と嘘、真実と建前の交わり
目の前が暗い。ここは一体どこだろう。
寒い。さみしい。悲しい。負の感情ばかり
流れ込んでくる。僕は一体誰だっけ。
込み上げる感情も名前もわからず
雨の中を虚ろに歩いた。
僕はどうして生きているんだっけ。
彼女は、僕を好きだと言ってくれた
そんな彼女に裏切られた。
その日を境に僕の中の何かが崩れた。
世界に色が消えた。
こんな醜い世の中に生きていたことを悔やんだ。
雨は強くなる。
裏切られた。その事実が、悔しかった。
悲しかった。「それでも、好きだよ」
そう思う自分が憎かった。
彼女からもらったものはすべて嘘だったと思うと
吐き気がした、目眩がした。
すべてに嫌気がさした。
家を飛び出して、雨に打たれて
どこに行くというわけもなくただただ、彷徨う
真実は知っていた。彼女には彼氏がいて
僕に浮気しているのだと、それでも彼女を愛した
ほんとに好きだったから……。いや、そんなのは
建前かもしれない。彼女を愛したことで
何かが得られると、そう思っていたのかもしれない
でも特に今更考えた所で何かが変わるわけでもない。
雨がまた強くなる。雷がなり始めた
あぁ、五月蝿いなぁ…。
体温が雨によって奪われていくのがわかる。
足を滑らせて倒れる。
立ち上がる気力はもうない
全身に力か入らなくなってとても眠い
あぁ、もう嫌になっちゃうな。
どこで間違ってしまったのかな…。
答えのない応えを考えながら、目を閉じた。